突然ですが、神経学の観点から言うと、我々の生命活動はザックリ3つしかありません。
それは、
- 環境情報を察知し(感覚)
- 中枢神経で処理し(脳)
- 適切な反応をする(運動)
という3つです。
もう少し人間ぽく言うと、
- 五感の刺激を受け(感覚)
- 脳神経系で判断し(脳)
- 筋肉を使って動く(運動)
この3つです。
抽象化すると「入力」→「連合」→「出力」とも言われますが、僕達が生きるという事はこの3つを常に繰り返す事であり、逆に言うとこの3つ以外の事はしていません。
朝起きるのも、ご飯を食べるのも、お喋りするのも、ネットを見るのも、全てこの3つのプロセスで成り立っています。
正確に言うと、単細胞生物などは脳が未発達のために「連合」が無く、「入力」と「出力」のみ、つまり「感覚」→「運動」を反射で行う2プロセスです。
しかし、人間のように脳が発達した高等生物は、「入力」と「出力」の間に「連合」が加わり、「感覚」→「脳」→「運動」の3プロセスに分けられます。
何が言いたいかと言うと、僕達が健康を考える場合、「感覚」「脳」「運動」最低この3つのプロセスを抑えておかねばなりません。
そして、僕は今までコンサルや教材を通して、「運動」と「脳」については大分お話して来ました。
今回はスッポリ抜けていた「感覚」に踏み込んで行きたいと思っています。
疎かにされる四感
一般的に健康の話は「食事」がテーマになる事が多いと思います。
確かに食事は大切ですが、それは感覚で言えば味覚と呼ばれる1感覚に過ぎません。
多くの方がご存知の通り、人間の感覚には5つの受容器があります。
即ち「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「体性感覚」の5つです。
そして、視覚は光を、聴覚は音を、嗅覚はにおいを、味覚は食事の味を、体性感覚は圧力や温度や湿度などを感知するわけですが、先程も言った通り、食事という入力は味覚に分類されます。
つまり、食事を改善しても、入力情報の5分の1が正されたに過ぎず、それだけで本当の健康を手にする事はできません。
我々がインプットするのは5つですから、その全てを平等に知っておくべきです。
今回は多くの人が無視しがちな味覚以外の感覚も含め、五感全てを明確にしていきたいと思います。
嗅覚
地球上には600万種類以上の科学物質が存在し、その内2万種類に香りがあります。
鼻は粘膜が剥き出しで、息をするたびに色んな香りが飛び込ん来るわけですが、これにより人間は知らず知らずの内に体調が変化しています。
意識している人は少ないですが、人間は香りに翻弄されて生きているのです。
例えば、昔から宗教儀式に参加する事で感染症が治る人が多い事が知られています。
長らく因果関係がわからなかったのですが、今では儀式の時に使われるお香の効果だと言う事が判明しました。
香りには薬効がある事がわかっており、お香は一度に大勢の人へ薬効を与える便利な投薬システムになっていたのです。
そう考えると、香りは食事よりも実に効率的な治療になり得ます。
食事は食べた者一人一人にしか効果を出せませんが、香りはその場にいる全員に効果を打ち出す事が出来るのです。
今回は特に優れた香りの薬効メソッドに焦点を当てて、現実的な生活への利用方法をお話したいと思ってます。
聴覚
音の感知は生物が最初に獲得した感覚と言われています。
物質とエネルギーがあるところにはどこでも音(振動)が存在し、音の感知は極めて基本的で、地球上のどの生物も持ち得ています。
目が見えない動物はたくさんいますが、音が聞こえない動物は存在しません。
それほど音は生物にとって重要な刺激なのですが、重要であるが故にその裏返しとして、人間は音の弊害も受けるようになりました。
一番メジャーなのは騒音ですが、一定以上の「音圧」で人間は耳と脳に損傷を負います。
また、余り知られていませんが、人体に支障をきたす特定の「周波数」もあり、更には意図的に作られた「音色」が隠された健康被害を起こす事もあります。
勿論、逆に体を回復するための音も存在するわけですが、音には体に良いものと悪いものがあるのです。
今回はその辺りを明確にし、実生活に応用できる形でお伝えします。
視覚
光は人間が最も多く情報を得る刺激で、全体の8割以上を占めます。
その情報を元に我々は物の形状を認識したり、体内時計を調整するわけですが、実は光が体に及ぼす影響はそれだけではありません。
これも余り知られていませんが、光は酵素とホルモンの活動に多いに関わっています。
酵素の中には光によって活動率が500%も上がるものもあり、我々の体の活性状態というのは光によって大きく左右されるのです。
しかし、残念ながら光の質に気を付けている人は余りいません。
食事、水、空気には注意を払う人が多いですが、残念ながら光は見過ごされる事が多いです。
実はエジソンが電球を発明して以降、人々は天然のフルスペクトル光を受ける機会が減っており、現代人は質の悪い光に晒されています。
そのために、知らぬ内に血圧や免疫が狂わせられ、それが原因不明の体調不良となって現れてくる事が少なくありません。
今回は光の質に着目しつつ、昨今騒がれているブルーライト問題などにも踏み込んで行きます。
味覚
最初にお話した通り、味覚は健康というテーマにおいて、5感の中では一番脚光を浴びている感覚だと思います。
刺激となる食事の内容物は人体に取り込まれるので、健康への影響は確かに大きく、一番重要視されるのは頷ける話です。
しかし多くの場合、食事はその「内容」にフォーカスされ過ぎです。
もう少し言うと、「栄養」という観点が主体となり過ぎていて、「美味しさ」という味の観点が抜けています。
重要な事ですが、体は「美味しい」と感じないと、栄養の吸収率を悪くします。
そしてそれ以前に「美味しい」と感じないと、摂取する頻度が下がります。
ですから、まずは栄養云々の前に味のメカニズムを抑えておく必要があるのです。
ここで扱いたいテーマはズバリ、どうすれば、健康的な食事を美味しいと感じるようになるか?
体に良いものを美味しいと感じ、悪いものを不味いと感じるようになれば、ヒトはおのずと健康になって行きます。
今回はその状態を目指して、味覚の成長を試みたいと思っています。
体性感覚
他の4感の受容器が頭部に集中している一方、体性感覚を担う皮膚は頭の先から足先まで広く存在します。
成人の皮膚は面積1.6平方メートル、重さ3kgもあり、人体で最大の臓器です。
この最大の感覚が与える人体への影響が計り知れないのは言うまでもありません。
身近なところで言えば、ヒトはストレスを受けると無意識に皮膚を刺激します。
緊張する場面になった時、髪や顔を触れる人は多いと思いますし、身体を怪我した時、そこを手で抑えたりさすったりする経験は誰しもあるはずです。
それによりストレスが緩和すると感じているからやっているわけですが、それは気のせいでもプラセボでも無く、起こるべくして起こる人体のメカニズムです。
昔から「手当て」という言葉があり、今でも「マッサージ」に行く人は多いですが、いずれの効果も体性感覚を知る事で説明が付きます。
今回は体性感覚の中でも特に重要な触覚を中心にお話し、自分で出来るセルフメディケーションまでお伝えしたいと思います。
五輪の書
以上、今回は五感についの知識をシェアしていくわけですが、この「五」という数字を見た時に、自分の中で「五輪の書」が思い浮かびました。
五輪の書は宮本武蔵が書いた有名な書物で、「風」「空」「火」「水」「地」という5つの章からなっています。
別に五輪の書と五感には何も関係はありませんが、5つの章立てと、それぞれの語彙の雰囲気がリンクするように感じたのです。
つまり、
風の章【嗅覚】
空の章【聴覚】
火の章【視覚】
水の章【味覚】
地の章【体性感覚】
です。
そこで、誠に勝手ながら今回の教材のタイトルは、「五感の書」と名付ける事にしました。
5つの感覚の体得書のようなつもりでやっていきたいと思いますので、もし興味あれば参加してみて下さい。
五感の書詳細
それではいつも通り、順不同で目次っぽいものを書いて行きます。
- 現代人は蛍光灯の灯る地下室に服役する刑に処されている
- 8~44Hz×55dB以上の音がもたらす致命的な健康被害
- 古くから黄金より価値が高いとされてきたお香
- 美味しさの判断が下されるメカニズム
- 進化の中で好まれるようになった質感
- 映画館に2時間いた時、身体はどんなダメージを受けているか?
- においが自律神経と内分泌系に与える影響
- モーツァルト効果は本当なのか?胎児教育の真実
- 色と運動パフォーマンスの関係
- ラーメンの麺を硬目で食べる人は何を欲しているのか?
- 痛みの医学を前進させたゲートコントロール説
- オーストラリアが国を挙げて推奨する精油
- 松茸が美味しいと感じるのは錯覚か?本当か?
- 同じ辛味でも唐辛子は熱く、ワサビは冷たく感じるのは何故か?
- ディスプレイから発せられるブルーライトは本当に体に悪いのか?
- 歯の痛みを消す香り
- 先入観と食べた結果が一致する事で得られる快感
- 海軍とNASAで本格的に研究されてきた音響兵器の実用化
- 脳の中に存在する調節者の中の調節者
- コクはどのように引き出されるか?
- 耳の災難、イヤーワームから逃れる方法
- 恋人の手を握った時に脳で何が起こるのか?
- 紫外線カットが人類の免疫機能を弱らせる
- 植物が発するみどりの香りの効果
- 音の公害を闇に葬る黒いペンタゴン
- 身体的な温度と精神的な温度変化は比例する
- 部屋のカーテンは何色が好ましいか?
- カレーは何故ライスとルーを分けるのか?
- 脳機能を高めるスパイス
- ヒトに最適な照明の選び方
- 白夜の国の人達は光をどう扱っているか?
- 50人の赤ん坊を全て死亡させた触れない育児
- とろみが美味しく感じる背景
- 食の品位とは何か?ラーメンとお吸い物の違い
- ストレスを即座に消すセルフマッサージ
- 1日を最高のものにする目覚ましの音
- 集団ヒステリーを生み出す狂気のA=440Hz
- 収監者の筋肉の強さを2.7秒で減少させる刑務所で使われている色
- オーガニックコットン VS 市販の生地
- 歴史上で未だかつて淘汰された事が無い「音楽」が存在する理由
- フルスペクトル VS 不完全スペクトル
- 5cm/sで触れる時に作動するC触覚線維

※画像は実際の資料です
アウトプットの質
当たり前と言えば当たり前ですが、体の表面に出て来るものは、体に入るものに依存します。
例えば、ボディメイクの世界では、何よりも食事が重要だと言われます。
それは、インプットする食べ物によって、アウトプットされる筋肉の質が決まるためです。
美容や健康だってそうです。元気で健康的な体を作りたいなら、体に入って来る情報の質を上げねばなりません。
そして、五感の書はその入って来るインプット情報の質を全て向上させるために作りました。
何故にこんな面倒な事をしたいのかと言えば、アウトプットの質を向上したいからです。
別に知識を増やしてニヤニヤしたいわけではありません。
健康的な体、実用的な体、快活な体、パフォーマンスの高い体、美しい体…
こういうものを体現するために、インプットの質を高めたいのです。
人によっては少し遠回りに見えるかもしれませんが、避けては通れない道だと思っています。
表面に現れてくるものは全て、事前に取り込んだもので決まるからです。
かつてない危機の到来
近年はテクノロジーの発達により、五感の刺激が不自然な状態になって来ています。
ディスプレイの発達に伴い、視覚と聴覚は人工的な刺激で埋め尽くされました。
食品開発の発達に伴い、味覚も人工的なものに支配されています。
そして、インターネットの仮想空間が拡大するにつれ、嗅覚や体性感覚は刺激そのものが大幅に減っています。
この状況はますます加速していく事が予想され、高次のVRが実用化されるようになった頃には、五感の刺激はほぼデジタル化される可能性があります。
そうなった時、人類はかつてないほどの危機に晒される事になるかもしれません。
何億年に渡って築き上げて来た人体のメカニズムと、急速に発展するテクノロジーの間の歪が臨界点を越え、予想もしなかった体調不良が蔓延する事が予想されます。
そんな状況に翻弄されないためには、五感の刺激を理解し、科学と上手に共存できる術を身に付ける事だと思っています。
我々は今更科学を捨てられませんから、必要となるのは両者のバランスです。
そして、五感の書には入力情報のバランスに必要なものを全て詰め込んだつもりです。
これからの時代に必須な知識だと思っているので、意識の高い方は参加してみて下さい。
お申し込み方法
教材はパワーポイントを使ったビデオでお渡しします。僕の姿は見れませんが、情報はつつがなく全て出します。
MP4ファイルでお届けするので、PC、スマホ、タブレットなど、どの端末から閲覧可能です。
参加費は2万円です。
いつもは1つの教材で1万円としていますが、今回は5つの章立てになっている事からボリュームが通常の2つ分になっており、価格もそれに合わせています。
支払い方法はクレジットカード(Paypal)と銀行振込(三菱UFJ)です。
一応一括のみですが、何か事情がある場合、連絡頂けたら個別に相談に乗ります。
それでは参加される方は下記フォームから連絡を下さい。

