今年もやって来ました、花粉の季節。
鼻水が止まらず、さぞ辛い思いをしている方も多いでしょう。
鼻がやられれば集中力が落ち、仕事も捗りません。
ティッシュの使用量が5倍位になってゴミ箱が溢れ返っている人もいると思います。
鼻のかみ過ぎで鼻の脇が被れてしまった人もいるでしょう。
目が痒くて真っ赤になっている人もいると思います。
毎年この季節になると鬱になってしまう人もいます。
余りの辛さに沖縄に逃げるなんて人も本当にいるみたいです。
ただ、僕は以前からずっと一貫して花粉症は治せると主張しています。
世間では花粉症は一度なったら一生付き合っていくものという認識のようですが、そんな事はありません。
花粉症は治せます。
どうやって治すかと言えば、「鼻うがい」です。
「100%誰でも」とは言いませんが、かなり高い確率で治ると思います。
僕自身もこれで花粉症を克服しましたし、周りの友人にもお客様の中にもたくさんいるので信頼性は高いと思っています。
毎朝、鼻うがいをする習慣を持てば、高確率で花粉症は抑えられます。
しかし、何度も何度も言っているにも関わらず、以前として鼻うがいをしてくれない人います。
花粉症になっていて、めちゃくちゃ辛そうで、鼻うがいで治るという情報も知っている癖に、やっていない人が結構います。
正確に言えば、1~2回は試しにやるのですが、毎朝の習慣にまで落とし込めていません。
得られるメリットが大きい事はわかっていても、忙しい朝に習慣を増やすのは面倒臭くて、挫折してしまう方が多いようです。
何故続けられないのかと言えば、恐らく仕組みがわかっていないからです。
鼻うがいで鼻に詰まった花粉が取り除ける、程度の効果しか理解できていないから、いまいちピンと来ていないのだと思うのです。
もっと言えば、信じられていない。
「医者がお手上げの病気を鼻うがいなんて単純な方法で治せるなんてあり得ない」と心のどこかで思っているから習慣にできないのだと思います。
そこで、今回はそんな方に向けて、鼻うがいで花粉症が治るメカニズムをお伝えしようと思います。
花粉症が治るプロセスを論理的に理解できれば、鼻うがいを信じる事ができるようになるはずです。
そして、信じる事ができれば、重い腰も上がって朝の習慣として行動できるようになると思うのです。
花粉症の原因
さて、それでは具体的に説明していこうと思いますが、先程少し触れたように、鼻うがいで花粉症が治るのは単に鼻に詰まっている花粉が洗い流されるからではありません。
そんな簡単な理由で治ってたまるもんかと。
これだけ多くの人が苦しんでいる症状です。
治るのにはそれなりにきちんとしたワケがあります。
そもそも、勘違いしている人もいると思いますが、花粉症とは鼻に入った花粉により、鼻がムズムズして鼻水が出るという症状ではありません。
免疫が過剰に反応したアレルギー症状です。
アレルギーはアトピーやリウマチと同じく、免疫システムが無視して良い異物に反応する事で起こる疾患ですが、花粉症は花粉に反応して鼻水がたくさん出たりする症状です。
ですから、その症状を取り除くには花粉を取り除くのではなく、免疫を正常な状態に戻してあげる必要があります。
根本的原因である免疫の処置をしなければいけません。
そして、その免疫の処置に一役買うのが鼻うがいです。
一見、鼻うがいと免疫には何も関係無いように見えますが、実はここに深い関係があるのです。
これがどういう事なのかを説明する前に、まず花粉症という免疫疾患がどのような仕組みで起こっているかを知ってもらう必要があります。
花粉症のメカニズム
最初に覚えて欲しい重要な部位があります。
「上咽頭」と呼ばれるところです。
下の図を見て下さい。
鼻の穴から続いていて、のどちんこのちょっと上にある空洞が上咽頭です。
実はこの上咽頭、人体の中でトップレベルに免疫システムが活発に働いている場所です。
外気と真っ先に触れ合う場所ですから、ウイルスや細菌と闘うために、免疫がこぞって防衛線を張っているのです。
実際、上咽頭の上皮細胞はその大半がリンパ球と呼ばれる免疫システムで構成されています。
通常、リンパ球などの免疫システムは体表には出てこないものなのですが、逆に言えば上咽頭はそれ程までに争いの絶えない激戦区であると言えます。
更に、上咽頭の免疫は常に活性状態にあります。
普通、免疫は何も無い時は大人しく寝ているのですが、上咽頭の免疫は常時ウイルスと対面する可能性があるので、24時間の迎撃態勢をしいているのです。
そのため、慢性的に炎症が起きやすい場所でもあります。
常に免疫とウイルスが攻防を繰り広げているため、慢性的に炎症反応が起こってしまうのです。
問題はここからです。
慢性的に炎症が起こるのはある程度仕方無いのですが、花粉などによりその炎症が余りにも連続して長期的に続きすぎると、免疫に変化が起こります。
免疫の要である「Tリンパ球」が元気づいてくるのです。
Tリンパ球というのは簡単に言うと免疫システムの指揮系統です。
非常に頭が良いエリートで、判断能力に長けていて、他の免疫に攻撃を命じる役割を持っています。
その重要なTリンパ球が長期的な炎症ににより、異常に活気づいてきます。
わかりやすく言うと、余りにも長く戦闘し続けた事で興奮してしまい、戦闘狂みたいになってしまうのです。
元々は冷静沈着で淡々と仕事をこなすTリンパ球ですが、目が血走ってきて、戦闘民族サイヤ人もビックリの暴君と化します。
暴君と化したTリンパ球は上咽頭の中の戦闘では飽き足らず、新たな敵を求めて血液に乗り込んで全身を駆け巡ります。
そして、血中を動き回る過程で、休息中だった他の免疫システム達を叩き起こします。
「オラオラー、戦争じゃー!皆殺しじゃー!」と大声を出して、仲間達を起こします。
エリート中のエリートであるTリンパ球の命令ですから、他の免疫達も「これは一大事だ」という事で目覚め、早速、戦闘準備に取り掛かります。
しかしながら、闘う準備はしたものの敵が見当たりません。
それは当然です。
これはTリンパ球が暴走しているだけであって、ウイルスや細菌が入ってきたわけではありませんから、肝心の相手が見つからないのです。
すると、「あれ、もしかしてコイツが敵かな?」と言って、自分の細胞を攻撃し始めます。
Tリンパ球に起こされた免疫システムには「マクロファージ」や「好中球」というものがいますが、残念ながら彼らは余り頭が良くありません。
所謂、脳筋というヤツで、Tリンパ球と違って敵味方の判断がおぼつかないのです。
とりあえず起こされたものの、敵が見当たらないので、そこら辺にいる一般人を見境無く攻撃してしまうのです。
そして、マクロファージや好中球は頭は良くありませんがケンカは強いです。
ウイルスや細菌も素手でボコボコにできる力を持っており、彼らから攻撃を受けた自己細胞は深手を負ってしまうのです。
また、起こされた免疫には「Bリンパ球」という免疫もいます。
彼らは「抗体」という飛び道具を使って攻撃をするタイプなのですが、その抗体を乱射して体の様々な場所に被弾させてしまいます。
こうしてアレルギー反応が起こっていきます。
長引く炎症でTリンパ球が過敏に反応するようになった結果、体中の免疫が異常に活性化して、体中を傷つけてしまうのです。
その症状が肌に出る人はアトピーになります。
関節に出る人はリウマチになります。
鼻や目に出る人は花粉症になるという事です。
ついでですが、朝の起きがけに鼻炎や花粉症の症状が悪化する「モーニングアタック」という現象があります。
僕も花粉症を患っていた時はよくなりましたが、同じ事を体感している人は大勢いると思います。
これは自律神経の影響で上咽頭の免疫が過剰に活性化してしまう事で起こる症状です。
人間の自律神経は就寝中は副交感神経優位で、起床と共に交感神経に切り替わるのは有名ですが、それと共に免疫システムの動きも変動します。
そして、上咽頭は神経が集中している首に近いためにその影響を受けやすく、また免疫細胞も多いために影響を受けた結果が強く現れやすいのです。
ですから、朝の自律神経が切り替わるタイミングで鼻の症状が悪化してしまうわけです。
これはつまり、逆に考えると、上咽頭の慢性炎症は花粉だけでなくストレスにも左右されるという事になります。
自律神経とストレスは密接に関わりがありますから、ストレスがかかる事で自律神経が乱れ、それが上咽頭の炎症を促進し、アレルギーを起こす可能性があるという事です。
花粉症を治す方法
ではどうすればこれらの事態を防ぐ事ができるのか?
それが鼻うがいです。
これまでお話した事でわかったと思いますが、花粉症を始めとするアレルギー反応の原因は上咽頭の長期的な炎症が原因です。
つまり、上咽頭の炎症を少しでも抑える事が花粉症を治す事に繋がるという事であり、そのために塩水を使って鼻をすすいであげるのです。
毎朝、塩水で鼻うがいをする事により上咽頭の炎症が緩和され、Tリンパ球が暴走しなくなり、その結果、花粉症が治るというわけです。
否、花粉症だけではありません。
人によってはアトピーも治ります。
リウマチや喘息が治る事もあります。
鼻うがいは鼻を治療しているのではなく、免疫疾患を治療しているので、アレルギー症状の全てに効果が出る可能性があるのです。
さて、この素晴らしい効果をもたらしてくれる鼻うがいですが、いくつか注意事項があります。
1.塩の比率
先程も言ったように、うがいは塩水で行いますが、その時の割合は「水:塩=1000:9」です。
これはヒトの体液濃度と同じです(正確には0.9%の濃度)。
塩の量をこれ以上にしたり、これ以下にすると逆に体にダメージを与える可能性があるので注意して下さい。
2.塩の質
塩は純粋な食塩(塩化ナトリウム)ではなく、天日塩など天然のものを使って下さい。
天然の塩の成分はカリウムなど他のミネラルも豊富に含まれていて、人体に有益なバランスを取ってくれます。
勿論、言うまでも無いですが、水も水道水ではなく、ミネラルウォーターか浄水器にかけたものにして下さい。
3.沸騰
塩は常温で放っておくと固まってきて、水に溶けにくい状態になってきます。
すると、濃度にバラつきが出て、正しい塩の比率を守る事ができなくなります。
それを防ぐため、一度沸騰させて完全に水に溶かしてから、すすぐようにして下さい。
以上、3点に気を付けて鼻うがいをしいます。
ただ、これを毎日やるのは結構大変なので、個人的には1Lの水に小さじ2杯の塩を入れて沸騰させ、作り置きして使うのが良いかと思います。
道具はネティポットを使うのがスタンダードでしょう。
小さいジョウロみたいなヤツです。
僕は便利なポンプ式のものを使っていますが、お値段も張るのでネティポットで構わないと思います。
そして最後に残念なお知らせをしますが、鼻うがいは効果が出るのに時間がかかります。
色んな人の意見を聞くと、早い人でも2ヶ月、遅い人は半年くらいは続けないと効果が出ません。
ですから、今現在、花粉症で悩まれている方は、今年はもう間に合いません。
しかし、来年のためにやって欲しいと思います。
来年以降、花粉症にかからないために、今年から鼻うがいを始めてみて下さい。
今面倒臭がってしまえば、また来年苦しみます。
長期的に考えて、未来の為に今頑張りましょう!
という事で、今日は花粉症が治る仕組みをお伝えしてみました。
少しでも鼻うがいをやる気になった方がいれば幸いです。
それではまた。
PS:
メルマガではもっと役立つ健康情報をお伝えしているで、良かったらこの機会に登録してみて下さい。
記事を見てから鼻うがいを始めたのが、2月中旬。
1ヶ月経ちましたが、ほぼ花粉症の症状が出ません。
毎年、2月から5月まで、毎日薬で症状を抑えてましたが、今年は3度しか服用してません。
効果が出るのが速すぎるため、別の理由なんでしょうが、35年も花粉症と付き合って来たので、鼻うがい以外に思い当たる理由が無くて。
二リットルペットボトルに1週間分を作りおきして、常温で保存 使用してます。朝は冷たい
有難うございます。
他の記事などでも沢山勉強させて頂いています。
こんな記事がありました。↓
鼻洗浄器「ネティポット」で死亡例、
米当局が注意呼び掛け
http://kenko100.jp/articles/120828000725/
作り置きは注意したほうがいいのかもしれません。
いつも有益な情報をありがとうございます!
自分が花粉症ではないからか
今回の記事は見落としていました。
私自身は花粉症もアトピーもないのですが
花粉症やアトピーなどの免疫疾患(とくにアトピー)で
苦しんでいる人が多く、大変参考になりました。
メカニズムを知ることで
行動のモチベーションが一気に上がりますね。
周囲の人達に薦めつつ、自分も鼻うがいを
しっかりと習慣化しようと思います。
また、人に説明する際などには
こちらのブログを紹介させて頂きます!(^^)
話は変わりますが、市販の歯磨き粉でお薦めはどれですか?
乳酸菌を作るのはハードルが高いので…。
黒羽根会長こんばんは
作りおきって多めに作って保存するのですよね?冷蔵保存ですか?常温保存ですか?教えて下さい!
毎晩鼻うがいをしています。症状は軽くなったものの、直るところまでは行きません。
0.9%の生理食塩水は、正確には、
水991gと塩9gになります。
大した違いでは無いので、どうと言うことではないですが、念のため。
私は、百均などで売っているマヨネーズ、ケチャップなどを入れる容器をネティポット代わりに使っています。安くて便利です。