偽りの強さ

生活

「強くなりたい」

こういう素朴な思いから肉体改造を始める人はかなり多いと思います。

特に男性はそうだと思いますが、男にとって強さとは生物学的にも重要な意味を持つので、それが大きな原動力になります。

女性は余りピンと来ないかもしれませんが、男性は「強さ」に対して異常に執着心があります。

それこそストーカー並だと思います。

子どもの頃、男子はすぐにケンカをしますが、それも自分が強い事を証明したいからです。

腕相撲をよくやるのもそうです。

握力勝負をするのもそうです。

大人になると余りそういう事はしなくなりますが、それは負ける恐怖を覚えていくためです。

基本的に男は強さの虜です。

「つえー!」と言われると歓喜するし、「よえー!」と言われると凹みます。

強さに憧れを抱き、弱さにコンプレックスを持ちます。

そういう根元があるからこそ、大人になっても筋トレをするのだと思います。

カッコいい肉体美が欲しいというのもその裏に強さの証明があるからです。

分厚い胸板、割れた腹筋、太い上腕、こういうのが得たいという欲は本質的には強くなりたいという事でしょう。

ボディメイクも、重量挙げも、格闘技も、最初の目的は強さを実感する事にあるのだと思います。

ミクロな強さ

しかし、僕はこの「強さ」という事に対して、世間の考えは少し視野が狭いと感じています。

考えている強さが近視眼的過ぎるのです。

どういう事かと言うと、多くの人が考えている強さは、相手が自分と同程度の大きさの生物に対するものです。

だいたいは同じ人間、ちょっと凄い人は牛とか熊とかまでを想定しますが、いずれにせよ我々と同程度の大きさの生物が相手だと思います。

だからこそ、「筋肉」を発達させようとします。

同じ大きさの相手と勝負する上では、運動能力が最も関係してくるからです。

筋量が増えれば発揮できる力も大きくなって必然と運動量が上がります。

そうすれば、ケンカであれスポーツであれ、相手より強くなれる可能性が高くなるので、皆、筋トレに躍起になるのです。

しかし、筋肉の性能を高めただけではその強さは不完全だと思っています。

何故なら僕達が筋肉で戦える相手は、相手が同程度の大きさの場合だけであって、そんなものはたかが知れているからです。

例えば、ウイルス。

ウイルス

彼らに筋肉は通用しません。

凄いマッチョな人がインフルエンザに侵されて、「オラー!」と上腕二頭筋に力を込めても、そのウイルスはビクともしません。

彼らは涼しい顔をして細胞に寄生し、自分のDNAを淡々と複製していきます。

筋肉にはこの進行を止める事はできませんし、運動能力が高くても全く意味がありません。

他に細菌だって同じです。

僕達を取り巻く世界は細菌だらけです。

皮膚にも消化器官にも常に菌はたくさんいて、その中には害を及ぼす悪玉菌もいます。

その悪玉菌に対して、物凄い怪力の人がパンチをしたとしても空を切るだけです。

小さ過ぎる彼らに僕達の拳は当たりません。

当然、カビや寄生虫に対しても同じ事が言えます。

つまり、微生物に対して筋肉は無力なのです。

いくら努力してマッチョになろうがウイルスや細菌を倒す事はできません。

そして、彼らに付け込まれてしまえば体は病的になり、体調は崩れていきます。

ヒドイ時は立ち上がる事すらできなくなります。

死んでしまう事だってあります。

これをどう思いますか?

筋肉は立派だけど、病に臥せっている…
マッチョだけど、立ち上がれない…
外見は強そうだけど、簡単に死んじゃう…

果たして「強い」と言えるでしょうか?

そんなわけないですよね?

むしろ弱いと思います。

それは偽りの強さで、不完全な強さです。

本当に強くなりたければ、微生物に対しても抗える力を持っていなければいけないと思います。

覚えておかなければいけないのは、ミクロな世界の住人を相手にした時、求められる強さが変わるという事です。

そこに必要なのは筋肉ではなく「免疫」です。

白血球や善玉菌など体の免疫機能がどれだけ強いかが明暗を分けます。

そのためには、日々の食生活に気を付け、健康に気を配らなければなりません。

以前にも書きましたが、筋肉を増やすためにタンパク質ばっかり食べていたら腸内腐敗が進みます。

そうなれば免疫は弱まって微生物に対抗できなくなるのです。

ですから、僕は常々「健康性」というのが肉体改造の土台にあると言っているわけです。

ここを無視して、筋肉や脂肪だけに捉われると本当の強さから外れてしまうからです。

僕達は同程度の大きさの動物だけではなく、ウイルスや細菌といったミクロな相手とも戦える力を身に付けていかなければならないと思うのです。

マクロな強さ

更に言うと、強さはミクロな世界だけではなく、同時にマクロな視野も持つ必要があると思っています。

マクロな敵として何を想定するかは人それぞれですが、僕の中では「悪意ある権力」が挙げられます。

権力とは人間の集合体によって作られる力であり、正にマクロ的だと思っているのですが、その権力の中には僕らを攻撃する悪性の強いものもあります。

どれだけの人が現実として受け止めているかわかりませんが、今日の世界には明確な意思を持って人の生命を脅かしている強大な権力が存在しています。

これは勿論、政府や警察が介入できるレベルの力ではありません。

それこそ、田畑を農薬と化学肥料まみれにし、食品に添加物をばら撒き、遺伝子組み換えを蔓延させているのはその権力によるものです。

アルツハイマーの原因となるフッ素を歯磨き粉に混入させているのもそうです。

数々の発癌性物質を水道水に流入させているのもそう。

子どもに劇薬のワクチンを定期的に注射するのもそう。

最近では飛行機雲を使って細菌やウイルスをばら撒くケムトレイルも有名になってきました。

余り言うと「陰謀論だ」とか騒ぎ立てる輩がいるのでこの辺にしますが、今の世界には悪意ある強大な権力が確かに存在します。

そんな権力の攻撃に対して、筋肉はやはり無力です。

いくら熊を素手で倒せる力があったとしても、彼らの「企画」の前では何の役にも立ちません。

どれだけ腕力があろうが運動能力が高かろうが、知らぬ間に毒素を注入されてしまいます。

気付いた時には手遅れ、病院と薬に依存するとっても弱々しい体に仕上げられてしまうのです。

権力に対抗しうる唯一の武器は「知識」しかありません。

知識を持つ事で、彼らの企みに騙されず、正しいライフスタイルを築いていく事ができます。

そのためには勉強しなければなりません。

世の中がどういう仕組みで動いているのか、人間の体はどのような構造をしているのか、そういう事を日々学んでいく必要があります。

少し逸れてしまうかもしれませんが、この重要性を心底痛感しているからこそ、僕の書く記事は少しお堅い感じになっています。

普通メルマガやブログはもっと日記感覚で気軽に読めるものが多いと思いますが、そういうテイストではないと思います。

文章は長いし、内容は理屈っぽいし、専門用語が出るし、どちらかと言えば書籍に近い感じだと思いますが、これは敢えてそうしています。

多少、堅くなり過ぎないよう工夫はしていますが、軽快過ぎると本当の意味での勉強にならなくなるので、わざとハードルを上げて難しく書いています。

実際、リピーターの読者からは「長い」「読んでいて疲れる」という声をもらう事があります。

勿論、回によってはライトな時もありますが、総じて疲れる重ための記事は多いと思います。

それでも読んでくれている人がいるのは、勉強になるという感覚が
あるからだと思いますが、それが僕のコンテンツの存在意義とも捉えています。

表向きは「健康」とか「肉体改造」を謳っていますが、最も重要なのは「知識」であって、それを自然に肌で学んでもらうために僕は記事を書いています。

最近は「情報弱者」なんて言葉がよく使われますが、世の中の99%の人は情弱です。

そして、それはマクロ的に弱いという事であり、そんな情けない事にならないよう、知識を身に付ける必要があるのです。

本当の強さ

話を戻しますが、本当の「強さ」とは人間大の世界で最強になるという単純な発想で考えるべきではありません。

ミクロの世界とマクロの世界までレンジを広げ、その全てでバランスを取っていく必要があります。

これは物理学の大統一理論と同じです。

高校物理を習った事がある人はわかると思いますが、人間大の世界を支配している法則はニュートン力学です。

しかし、マクロな世界を支配しているのはアインシュタインの相対性理論です。

そして、ミクロな世界を支配するのは量子力学です。

この3つを統合させるのが物理学の課題なわけですが、「強さ」も同じように考えるのが重要だと思います。

即ち、

人間大の世界における「筋力」
ミクロな世界における「免疫力」
マクロな世界における「知力」

かなり大雑把な事は承知の上で言っていますが、この3つを統合的に身に付けていく事が重要で、それが真の強さに繋がる道の1つだと思います。

人間大の世界にだけ拘って筋トレばかりしている人は脳筋バカです。

ミクロな世界にだけ拘って健康ばかり考えている人は健康オタクバカです。

マクロな世界にだけ拘って勉強ばかりしている人は頭でっかちのガリ勉バカです。

どれか1つだけではダメです。

2つでも弱いです。

3つ揃って初めての強さです。

これを目指すべきだと思っています。

そう言えば、今回の話、「強さ」という事で男性寄りの話に聞こえたかもしれませんが、女性で言うところの「美しさ」も同じです。

女性は美しくありたいという強い執着心があると思います。

その美しさも人間大の世界だけで考えて筋肉や脂肪だけに目を奪われてはいけません。

ミクロな視点で免疫力を鍛えなければ微生物に侵されて肌は荒れ、ニキビが増え、髪が薄くなって体臭もきつくなってきます。

マクロな視点で知力を付けられなければ、知らぬ間に毒物を混入され、自分が病的になるだけでなく、生まれてくる子どもに奇形の可能性を与える事になります。

美しさも全てのレンジで考えねばなりません。

大変そうだと思うかもしれませんが、それが真の美しさです。

本当の意味で強く美しくあれるよう、一緒に頑張っていきましょう。

それでは今日はこの辺で。

PS:

真の強さや美しさのための重要な概念、その1つが不潔さだと考えています。

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コメント

    • 健康オタク
    • 2016.04.13 3:09pm

    筋トレが健康にいいんだよ

    • 南米放浪狼
    • 2014.09.08 6:15pm

    賛成です。昔で言えば文武両道+乾布摩擦。

    • 岡田
    • 2014.09.08 3:02pm

    ブログを大変興味深く拝読しております。偶然出会いましたが美しさの追求だけでなく、陰謀論を身体的側面と絡めて書かれてあり非常に勉強(復習)になります。私は筋肉にも興味がありますが、やはり女性特有の悩み(便秘)について少し書かれてあったのが印象的でしたので、黒羽根さんがご存知の便秘解消法があれば是非ご意見をお聞かせいただきたいです。
    関係ありませんが、ボストンマラソンテロ、どう考えても茶番にしか見えませんでした。

黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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