サウナに入ると太る説

生活

とある温泉へ行った時の事。

サウナに入った友人がこんな事を言いました。

「よーし、痩せるぞ!」

年も30を超えると基礎代謝が落ちて、急激に太り出す人が増えます。

この友人もその1人で、昔は引き締まった体をしていたのですが、今ではその影は無く、お腹の出たおじさんになってしまいました。

そのおじさんがサウナに入って「痩せるぞ」と気合いを入れていたわけですが、この時に僕は大きな疑問を抱きました。

サウナに入ると痩せるんだっけ?

色々な見解があると思いますが、僕はこれまでの実体験からサウナで痩せられるという事に対してはかなり懐疑的です。

逆に太ってしまう事もあるのでは無いかと思っていたりするのですが、今日はその話をしてみたいと思います。

「汗は水分だから脂肪が減ってるわけじゃない」

というくらいは誰でもわかってると思いますが、

「汗をかく時に発生するエネルギーで脂肪は燃えるのでは?」

と考えている人もいると思うので、その辺を解説していきます。

ダイエットや体の仕組みに興味があれば読んでみて下さい。

サウナとエネルギー消費量

まず汗をかく時にエネルギーが発生するかと言うと、YESです。

サウナのような高温の場所に居ると当然汗をかきますが、気化熱で1gの水が蒸発すると約0.5kcalの熱が奪われる事がわかっています。

つまり、汗をかけばかくだけ消費カロリーは上がりますので、これだけを見ると痩せそうな気がすると思います。

しかし、もう1つ考えねばならない事があります。

基礎代謝についてです。

動物の体は環境が暑くなると、体温を下げるために筋肉を働きを低下させて、代謝を落とすようにもなってます。

基礎代謝の大部分は筋肉に依存する事を知っている人は多いと思いますが、その筋肉の代謝は気温と反比例の関係にあり、サウナのような高温下ではかなり低下するものと考えられます。

よって、汗をかく事で消費されたカロリーは基礎代謝が落ちる事で相殺されます。

これがどのくらい相殺されるのか、具体的な収支がどうなるのかという科学的根拠は見当たりませんが、僕自身の実体験としてはプラマイゼロくらいになるのでは無いかと感じています。

つまり、サウナに入っても痩せられる可能性は低いです。

むしろ、一時的に基礎代謝が下がってしまう事により、痩せにくくなってしまうのでは無いかと考えています。

痩せやすい環境

温泉に行って痩せたいというのであれば、サウナでは無く、むしろ水風呂に入るべきだと思います。

冷たい環境になると、体は体温を上げるために筋肉の働きを活発にし、代謝を上げるようになります。

人間は寒いところに居ると体がガクガクふるえて来ると思いますが、あれは代謝を高めるために筋肉を微細に動かしているためです。

ですから、痩せたければ水風呂の方が効果があると思います。

体は寒い環境の方が痩せるのです。

そう言えば、雪山に登る時は大量の食料を持っていく事が推奨されますが、それは代謝が高まり過ぎて体内のエネルギーがすぐに枯渇するためです。

猟師さんも山に出る時は必ず食料を持って行きます。

極寒の中ではエネルギーがどんどん消費されてしまうので、食料を持たずに出かける事は死に直結するわけです。

余談ですが、水を1.5L飲むと48kcalが消費されますが、冷水を飲むと更に消費カロリーは上がります。

冷えた体の体温を上げるためにエネルギーが使われるのです。

2種類の脂肪

さて、今までの話を聞いてダイエットのために、積極的に寒い場所に行こうとする人が出て来るかもしれませんが、実はここでも1つ落とし穴があります。

脂肪には2種類あるからです。

「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」です。

白色脂肪細胞とは一言で言うと「動くためのエネルギー」です。

運動する時に消費される中性脂肪で、いわゆる贅肉というものです。

こちらは全身に存在し、特に下腹部、お尻、太もも、背中、腕の上部、内臓の回り等に多く存在しています。

一方で、褐色脂肪細胞は「体温を保つためのエネルギー」です。

寒い環境に置かれた時に熱量を生み出す細胞です。

こちらは首の周り、脇の下、肩甲骨周り、心臓、腎臓の周りの5ヶ所にしか存在しない希少な脂肪です。

もうわかると思いますが、ダイエットのターゲットは白色脂肪細胞です。

しかしながら、寒いところで積極的に使われるのは褐色脂肪細胞です。

こちらは「非ふるえ」にという熱産生の仕組みを持っていて、僅かなエネルギーで熱を生み出していく事ができるため、体温維持にはうってつけだからです。

勿論、寒い環境では白色脂肪細胞も使われます。

筋肉がブルブルふるえるのはその証です。

しかし、メインとなるのは褐色脂肪細胞です。

そして、その褐色脂肪細胞は見た目には関係しませんので、ただ寒いところに居るだけでは、効率の良いダイエットにはなりません。

見た目を左右する白色脂肪細胞は動くためのエネルギーなので、これを消費したければやはり運動は外せないのです。

また余談ですが、熊は冬眠から目覚めた時に体重が2/3位になります。

2/3と言うと大分小さくなったように聞こえるかもしれませんが、それでもワンシーズン何も食べないという事を考えると、その減少率は非常に低い値です。

人間だったら餓死して体重自体も無くなってしまうレベルですが、熊は2/3しか小さくならないのです。

何故このような事が可能になっているかと言えば、冬眠をするような動物は褐色脂肪細胞を大量に持っているからです。

先程も言ったように褐色脂肪細胞は非ふるえによる熱産生を行い、少量のエネルギーで大量の熱を生み出す事が出来ますので、ワンシーズンくらいなら余裕で持ち堪えられるのです。

最も痩せられるダイエット法

ではここまでの話を踏まえた上で、せっかくですから、効果的なダイエット方法をお伝えしてみたいと思います。

結論から言うと、寒いところで行う長時間運動です。

寒いところでは褐色脂肪細胞がメインで使われると言いましたが、それでも人間は熊のように大量には持っていないため、筋肉をふるわせるべく白色脂肪細胞も使われます。

そのベースを作った上で運動すると、消費カロリーは跳ね上がります。

白色脂肪細胞が使われる寒い環境の中で運動する事により、大量の白色脂肪細胞を消費する事が出来るのです。

極端な事を言えば、真冬に半袖短パンになって、マラソンです。

実際、マラソン選手は非常にホッソリとした体型をしていますが、その要因の1つは「寒さ」×「運動」の習慣にあると思います。

僕自身も昔ダイエットのために真冬に40km走った事がありますが、夏場に走るより体重も体脂肪も圧倒的に減りました。

まあそんな事をするのは現実的では無いにしても、冬場に暖房を入れずに筋トレをするのも非常に効果が高いと思います。

怪我の予防には重々注意する必要がありますが、寒い中で行う運動はダイエットに効果的であるという事です。

そう言う意味では、ダイエットは冬に向いています。

通常、冬にバルクアップして夏にダイエットする人が多いですが、単純に痩せるだけならば冬の方が効果があると思います。

但し、冬場は運動のモチベーションが下がってしまうのと、栄養を溜め込むために食欲が旺盛になるという季節でもあるため、意志力の無い人には逆に難しくなるかもしれません。

この辺は体質なども関わって来るとは思いますが、季節によっても痩せやすい太りやすいなどがある事を知っておくと何かと便利だと思うので良かったら覚えておいて下さい。

と言う事で、最後は話が大分逸れてしまいましたが、サウナでは痩せられない、むしろ太るのでは?という説でした。

参考になれば幸いです。

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コメント

    • けりぃ
    • 2018.12.18 10:34pm

    はじめまして!ランキングから来ました!
    サウナは痩せないってガーン!でしたが、寒いところで運動した方が基礎代謝が上がるとのことで、なるほどと納得しました。
    論理的で分かりやすいですね!
    これから痩せる目的ではサウナは控えることにします♪
    ありがとうございます^^

黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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