ウォームアップの真相

運動

ブチッ!

ある日、いつものように筋トレをしていると、頭の中で何かが切れたような音がして、そのまま倒れ込みました。

気を失ったわけではないのですが、激しい頭痛に襲われて身動きができません。

何がなんだかわかりません。

ただ、いつも通りに運動していただけです。

そのまま寝たきりとなって10分位経ちましたが、それでも痛みは引きません。

無理矢理起き上がろうとすれば更なる痛みが襲ってくる気配がしてやはり動けません。

意識が朦朧としてきました。

もしかしてこのまま死んだりして…

家の中でポツンとただ一人、誰にも気づかれないまま死んでしまうのだろうか。

もし、死んだら誰が発見してくれるのかな?

でも、家族とはそんなに連絡取っていないし、友達でこの家に来た事がある人もいないし、近所付き合いがあるわけでもないし。

当分は発見されないだろうなぁ…

あっ、携帯の充電が切れて繋がらなくなって友達が不自然に思って探してくれるかな?

いやでも、そもそも携帯をあんまり使っていないし、電話かけてくれる人が現れるまで時間かかるだろうな。

そうだ、家賃が振り込まれていないって事で大家さんが探しに来てくれるかもしれない。

とは言え、1ヶ月以上先だよなぁ…

すると、第一発見された時は死体も腐ってんのかな。

臭いの嫌だなぁ…

それより筋トレ中に死亡って笑いものになるんじゃ…

何だか腹上死みたいじゃないか。

そんな最後、嫌だなぁ…

こんな妄想まで始まっていました。

この後、更に10分位すると少しずつ頭痛が回復してきてどうにか筋トレで死亡という不名誉を得ずに済みましたが、これは実話です。

僕はかれこれ同じような事を3回味わいました。

筋トレ中に激しい頭痛に襲われて、倒れ込んでしまったのです。

恐らく、この記事を読んでいる方の中にも同じような経験をされた方はいると思います。

この原因が何なのかと言えば、頭の毛細血管が切れた事です。

筋トレで高重量を取り扱い、思いきり踏ん張った事で頭の血管がチョコっと切れちゃったのです。

この現象はハードな筋トレをしている人にはそれなりの確率で起こります。

特に10月~11月頃が危険です。

正にこれからの時期ですが、冬場に向けて血管が収縮し始めていますから、強く力み血圧を上げる事で破裂する恐れが出て来るのです。

完全に冬になると、体もある程度は適応してくれるのですが、秋から冬にかけた季節の変わり目は体がまだ順応しておらず、このような事が起こりやすいのです。

大切なウォームアップ

長い前置きとなりましたが、何が言いたいのかと言うと、「ウォームアップはちゃんとしようね」という事です。

会員さんや友人と話していて思う事ですが、ウォームアップを全くしない人、或いは適当にしている人が非常に多いです。

ウォームアップせずにいきなり激しい運動をするから、血管が切れたりするのです。

縮こまっている血管にいきなり負担をかけたら、そこがダメージを受けるのは当たり前です。

頭が悪い僕は3回も同じ事を繰り返してしまいましたが、下手したら本当に再起不能になっていたかもしれません。

そんな最悪の事態にならぬよう、筋トレをする前はきちんとウォームアップをしなければなりません。

ウォームアップして、予め体組織を拡張させておけば、血管破裂のリスクはほとんど無くなります。

また、筋肉や腱が切れたり、関節を壊すような所謂、怪我のリスクも回避できます。

面倒臭いという気持ちがあるのはわかりますが、少しでも安全にトレーニングを実施する上でウォームアップは取り入れて欲しいと思います。

ストレッチの悲劇

ではどんなウォームアップをすべきか?

実はこれ、かなり多くの人が間違えています。

見ているとだいたいストレッチをするのです。

それも静的ストレッチというヤツです。

静的ストレッチとは反動を付けず、筋肉が伸びた状態を一定時間キープする方法です。

こんな感じの一般的なストレッチの事です。

ストレッチ肩 ストレッチ胸二頭筋 ストレッチ背中三頭筋

昨今のストレッチブームのせいなのか、無意識に皆がこれをやっているのですが、実は静的ストレッチはウォームアップに向きません。

むしろ、筋トレにおいては逆効果になります。

静的ストレッチは筋肉の重要な機能を損なってしまうからです。

正確に言うと、筋肉の「伸張反射」という機能を極端に弱らせる可能性があります。

伸張反射とは、筋肉が引き伸ばされた時に、その反動で筋肉が縮まる仕組みの事を言います。

簡単に言えば、ゴムみたいな性質の事です。

筋肉はゴムと凄く似ていて、伸ばすとその反動で縮もうとする作用があります。

例えば、ジャンプする時は一旦かがむと思いますが、その時に腿前面やふくらはぎの筋肉が引き伸ばされます。

そして、引き伸ばされた筋肉はゴムの作用で縮まろうするので大きな力が生まれる事になり、結果として跳躍力が上がるわけです。

この伸張反射という作用は筋肉の中の「筋紡錘」というセンサーにより脳を介さず脊髄反射で行われるのですが、我々が大きな力を出す上で非常に大きな役割を持っています。

ところが、静的ストレッチをしていると、その伸張反射がどんどん弱まってしまうのです。

現在流行しているストレッチの類は筋肉を伸ばす過程で、伸張反射を無理矢理抑えこみます。

「痛い」と感じ、筋肉は伸張反射で戻ろうとしているのに、その生理反応を無視してどんどん伸ばすものだから、伸張反射そのものの機能を失わせてしまうのです。

その結果、筋肉は柔らかくなるかもしれませんが、神経系の反応が鈍くなって瞬発的な動作が弱くなります。

言ってしまえば、伸び切っただるだるのゴムになるのです。

そんなたるんだ筋肉になってしまえば発揮できる力は極端に弱まってしまいますから、筋トレの効率が下がるのはわかると思います。

実際、静的ストレッチが筋力、スピード、パワーを低下させるという研究結果は数多く出ています。

理由は副交感神経を刺激するからというのが一般的ですが、僕はこの伸張反射を妨げるというのがかなり大きいと思います。

そもそも筋肉は必要以上に伸ばすものではありません。

無理矢理伸ばしていると筋肉は伸び切ってしまい、出力の低い使えない体になってしまうのです。

クールダウンで回復のためにやるならまだしも、ウォームアップでやるものでは無いのです。

ウォームアップの意義

じゃあ、ウォームアップには何をすべきか?

それは別に決まっていません。

何の運動が良いとかもありません。

ただ、知っておかねばならない重要条件が1つあります。

それは、「体を温める」という事です。

ウォームアップの目的はその名の通り、体を温める事にあります。

関節を回すとか、筋肉を慣らすとかではありません。

体が温まっていれば自然に関節も回るし、筋肉もスムーズに動くようになります。

この概念を理解していないから、静的ストレッチとかが出て来てしまうわけです。

その辺のジムのトレーナーに指導を受けてしまうと、一生懸命ストレッチをさせてくれるわけですが、そうやって体が使い物にならなくなっていくのです。

もう1度言いますが、ウォームアップで行う事は体を温める事です。

目安としては少し汗ばむ位が良いでしょう。

適度に動いて少し汗をかきます。

汗をかく位に体が温まっていれば血管も筋肉も適度に拡張されて、切れるような事は無くなります。

かなり重い重量を扱っても関節が壊れるような事態は起こらなくなるはずです。

実際問題として何をするかは各自に任せますが、一番簡単なのはジョギングだと思います。

10分程度で簡単に汗をかけるからです。

余談ですが、ジョギングは脂肪燃焼効果を考えて筋トレ後にやるという方も多いと思います。

確かに、有酸素運動は筋トレ後にやった方が脂肪を多く燃やしてくれるというは事実です。

しかし、怪我のリスクを避ける事に比べれば脂肪燃焼の優先度は遥かに低いと思っているので、ウチの方針としてはジョギングは筋トレの前です。

筋トレの前と後の両方でやるのは構いませんが、前か後の一択なら必ず「前」にすべきです。

そうしないと、頻繁に怪我をしやすい体になり、結果としてダイエット効果も下がると思います。

何事も長期的な目線で捉えるのが大事です。

話を戻しますが、その他のウォームアップとして、家でやりたいならラジオ体操もいいと思います。

ラジオ体操は反動を付けたストレッチで動的ストレッチとも呼ばれるものですが、こちらは伸張反射を阻害する事はありません。

ただ、汗をかきにくい欠点があります。

どうしても負荷が軽過ぎてしまうのでそこには少し課題が残ります。

他にはシャドーボクシングも有りです。

別にボクシングを習っている必要はありません。

適当にフットワークしながらジャブ、ストレート、フック、アッパーを打っていれば10分程度で汗をかけるはずです。

それから、筋トレ中級者であれば軽い筋トレをウォームアップにしてもいいと思います。

例えば、腕立て伏せとかスクワットとか。

こういうのは初心者がやると、それだけでヘバッてウォームアップとは言えなくなってしまいますが、慣れている人にとっては適度に運動になります。

そんな感じで自分の好みに合わせて適宜ウォームアップを取り入れてもらえたらと思います。

ついでに欲を言えば、筋トレの前には血流促進のエクササイズも行えると最高です。

具体的には「トランポリン」、もしくは「逆立ち」。

トランポリン

逆立ちの方が強力なのでおススメですが、できない人はトランポリンでも構いません。

これを適切な形で事前にやっておくと、全身の血流が活発になって大きなパワーを出しやすくなります。

健康効果として内臓や骨も強くなりますし、発毛育毛の促進、視力の強化にも繋がるのであらゆる面から肉体が向上していきます。

ここら辺は話しだすとまた長くなってしまうので機会があれば詳しくお話したいと思います。

興味ある人は先に取り入れてみて下さい。

クールダウン

という事で、ウォームアップについては以上ですが、せっかくなのでクールダウンについても少しだけ。

クールダウンではストレッチも有りですが、こちらも面倒でやらないという人は多いと思います。

「筋トレして疲れたよ、もうやりたくない…」という気持ちはわかります。

そうであればやらなくていいと思います。

こちらに関しては無理して行う必要はありません。

ウォームアップは絶対にやった方がいいですが、クールダウンは必須ではありません。

やりたいと思えた時だけやって下さい。

というのも、本当に激しく体を追い込めばストレッチは自然とやりたくなるものなのです。

寝起きに背伸びしたくなるのと同じ原理で、体が必然と伸びるのを求めるようになります。

筋トレ後にストレッチする気になれないなら、体はまだまだ余裕があるという事であって、そこまでケアする段階にはないのかもしれません。

「伸ばしたくなる」「ストレッチしたくなる」という感覚がよくわからないという方は一度40km位走ってみるといいと思います。

20mk位走った辺りから足を伸ばしたくなって、自然とストレッチを始めてしまいます。

終わった後は、1日中足を伸ばしていると思います。

それはそれは超気持ちいいいです。

まあこの提案は半分冗談ですが、いずれにせよクールダウンは無理して行わず、体が求めたらやってみると良いと思います。

変に義務感に縛られて伸ばしてしまうとそれこそ伸張反射を損なってしまいます。

何事も体の声を聞くのが大事です。

という事で、今日はこの辺で。

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黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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