「サプリメント使う派?使わない派?」
と聞かれて、あなたはどう答えるでしょうか?
栄養面から健康を考えた場合にサプリメントを必須と捉えるのか、自然食のみで行けると踏むかです。
これは僕の感覚の問題になってしまいますが、最近は後者の方が増えて来ている気がします。
いや、正確に言うと、それを望んでいる人が増えているといいましょうか。
サプリメントの必要性を理解しているのだけれど、なるべく使わない方向に行きたいと考える人が多くなってきている気がします。
可能な限り自然食のみで済ませたいと。
かく言う、僕もその流れに乗っている一人です。
以前はサプリメントに心酔している時代がありました。
それはもう鬼のように使っていました。
錠剤物から液状の物まで幅広く手を出し、冷蔵庫はサプリメントの瓶でいっぱいになって傍からみたら完全に薬物中毒者でした。
1日に100粒の錠剤を飲んだという武勇伝は今でも語り草にしています。
しかし、そんな僕も最近はサプリメントの使用を減らし、なるべく自然食で済ませるよう心掛けています。
やはり、科学的に抽出された栄養ではなく、調和のとれた自然の栄養に魅力を感じるからです。
勿論、現代の農作物は農薬や化学肥料で弱っていますから、それだけで栄養が事足りるというわけにはいかないのですが、可能な限りは自然の食べ物が良いと思うのです。
栄養不足が続いた時や、体調の悪い時などに限定し、サプリメントを応用するのが理想だと考えています。
そして、僕の周りにでも同じような考えを持つ人が徐々に多くなっている気がしています。
まあ金銭的な問題もあるのかもしれませんが、とにかくサプリメントを使わない派の流れが来ているのを感じるのです。
という事で、今回はその流れにちなんで、「自然食でカバーするのが最も難しい栄養素は何か?」という事をお話してみたいと思います。
なるべくサプリメントを使わないで生活する時、食事にどんな工夫をすべきなのかという視点で読んでもらえたら有意義な情報になるかもしれません。
最も難しい栄養素
さて、僕が考える自然食でカバーが難しい栄養素は、結論から言ってしまえば「オメガ3脂肪酸」です。
ビタミンやミネラルも難しい方ではありますが、オメガ3脂肪酸に比べたら楽勝だと思います。
それ程に、オメガ3脂肪酸は厄介です。
ところで、オメガ3脂肪酸ってどの程度の認知度なのでしょうか??
サプリメントも出ているし、広告もそれなりに見かけるので名前を聞いた事が無いという人はさすがにいないと思うのですが。
「オメガ?神竜?」と、先にFFネタが思い浮かんでしまった方は少しばかりお勉強が必要かもしれません。
「あ~、オメガ3か、確かにムズイよね」と、納得した健康オタクさんは少しばかり鼻を高くしてもいいと思います。
話が逸れましたが、恐らくは名前は知ってるけど内容はよくわからんという方が多数かと思いますので、少しばかり栄養学的な説明をしておきます。
オメガ3脂肪酸は「必須脂肪酸」の1つです。
必須脂肪酸とは人間が体内で生成する事ができず、外部から取り入れなければならない脂肪酸の事です。
つまり、絶対に食べなきゃいけない栄養です。
そういった意味で、まずオメガ3脂肪酸は必要性が高い事を認識して下さい。
ちなみに、この物質が特定される以前は「ビタミンF」と呼ばれていました。
ビタミンと言われれば、重要度が高い事が何となくわかるかと思います。
で、必須脂肪酸には大きく2つのカテゴリがあります。
「オメガ6脂肪酸」と今日の主役「オメガ3脂肪酸」です。
そして、僕達が健康的な肉体を維持するためには、この2つの脂肪酸をバランス良く摂取する必要性があります。
「バランス良く」です。
ここがポイントです。
どういう事かと言うと、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は互いに拮抗し合うような機能を備えているのです。
オメガ6脂肪酸は炎症反応を起こしたり、細胞の増殖を速める作用があります。
一方、オメガ3脂肪酸は炎症やアレルギーを抑えたり、細胞の発育を抑えたりする働きがあります。
これはどちらも必要な事で、例えばオメガ3脂肪酸が不足してオメガ6脂肪酸に傾くと、癌細胞などが増殖していきます。
逆にオメガ6脂肪酸が不足して、オメガ3脂肪酸に偏ると、炎症が起こり辛く、病気や怪我からの回復が遅れたりします。
両者は互いに拮抗してバランスを取り合っているのです。
交感神経と副交感神経みたいなものです。
どちらも必要ですが、どちらかに傾いてしまうと体に支障をきたす事になります。
現代人のバランス
さて、バランスが大事なのはわかったと思いますが、問題はここからです。
現代の日本の食生活はこのバランスが非常に崩れやすくなっています。
どちらに寄るかと言えば、オメガ6脂肪酸です。
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の割合は「4:1」の比率で摂取するのが望ましいと言われていますが、現代人は「20:1」~「50:1」位に傾いています。
通常の生活を送っているのであれば、必然的にオメガ6脂肪酸過多になります。
何故なら、オメガ6脂肪酸は肉や多くの植物油にたくさん含まれ、現代人であれば必然と大量に摂取する事になってしまうからです。
例えば、一般的な調理に使われるベニバナ油、ヒマワリ油、コーン油などはオメガ6脂肪酸です。
油と言えばゴマもそうです。
大豆の油は少しオメガ3も入ってきますが、割合は圧倒的にオメガ6の方が高いです。
勿論、動物肉もオメガ6。
まあだいたい普段食べるような脂肪はオメガ6に偏っているのです。
ですから、肉食の人だろうがベジタリアンだろうが、どうしてもオメガ6の比率が高くなってしまいます。
逆に不足しているのがオメガ3脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸が足りなくなってしまうのは、2つの意味で摂取が難しいからです。
1つは含まれている食べ物が少ない事。
もう1つは光や酸素に敏感で弱い事。
この2重縛りによって摂取が非常に難しくなります。
例えば、オメガ3の含有量が多いものとして、イワシ、アジ、サバ、シャケ、ニシンなどの青魚があります。
これ自体を食べている人は多いと思いますが、多分、焼き魚としてが大半だと思います。
先程言ったように、オメガ3は非常に繊細なので、加工調理をすると消えてしまいます。
つまり、刺身や寿司として生で食べる必要があります。
ただ、生魚は経済的な負担が大きくなるので、一般的にはどうしても不足がちになってしまうと思います。
次に含有量の高いものとして挙げられるのは、亜麻仁油や紫蘇油というマイナーな油です。
亜麻仁油は余りスーパーでも置かれておらず、馴染みのある方は少ないと思います。
紫蘇油はエゴマ油などの名前でスーパーにありますが、意識の高い方でない限りは素通りしていると思います。
そして、何度も言っている通り、加工はできないので調理油としては使えません。
マイナーな上に使い道が限定されるので、現代人が不足がちになるのは致し方ありません。
やはりオメガ3は難しい。
ビタミンよりミネラルより酵素より難しいと思います。
しかしながら、我々には必要な栄養です。
必須脂肪酸であり、拮抗するオメガ6脂肪酸とのバランスを取る上で、オメガ3脂肪酸は欠かせません。
オメガ3無くして健康な体は構築できないのです。
オメガ3実践
では、どうすればいいのか?
まあサプリメントを買うという手もあるのですが、せっかく自然食で話を進めてきたわけですから、そちらの方向で解決策を模索したいですよね。
という事で、今日は僕が暫定的に実践しているオメガ3対策を紹介しておきたいと思います。
1.エゴマ油ドレッシング
サラダにエゴマ油をかけて食べます。
先程言ったようにエゴマ油はほとんどのスーパーにあるので手に入れやすいと思います。
結構、お値段はするのですが、そこは仕方無し。
エゴマ油は調理油としては使ってはいけませんが、そのまま食べればオメガ3を吸収できます。
オメガ3の含有量は非常に高く、その他の食べ物から入って来てしまうオメガ6を相殺してくれます。
味も結構、美味しいと思います。
塩を合わせると食べやすいです。
2.クルミの習慣
クルミはオメガ6とオメガ3が丁度良いバランスで含まれています。
比較的手に入れやすいと思いますので、これを毎日食べるように心掛けます。
クルミはタンパク質も豊富に含まれるので、筋トレ後の栄養にも最適です。
勿論、「生」のクルミにして下さい。
3.ご褒美に寿司
例えば、凄くトレーニングを頑張った日とかにお寿司を食べる事にします。
ターゲットは「シャケ」です。
シャケはオメガ3の含有量が圧倒的なので、積極的に食べるようにして下さい。
お寿司は高いですが美味しいですし、こういったご褒美を用意しておくと、
トレーニングのモチベーションにも繋がります。
以上の3つ、僕が今のところ行っている自然食によるオメガ3の摂取です。
これで足りないと感じればサプリメントを使っています。
今までオメガ3を余り意識していなかった方は参考にしてみて下さい。
逆に何かお勧めの方法を知っている人がいたら教えてもらえると凄く嬉しいです。
脂肪が体の質を決める
さて、それではそろそろ締めますが、僕達の細胞膜は糖質、タンパク質、そして脂肪酸から作られています。
この内、糖質はブドウ糖、タンパク質はアミノ酸に分解され、必要に応じて再合成されて使用されるのですが、脂肪酸は食べた脂肪酸がそのまま使用されます。
つまり、食べる脂肪によって僕達の細胞の性質は決まるのです。
オメガ3脂肪酸を全く摂取できていなければ、癌になりやすく、免疫が働きづらい細胞が育ち、血液もドロドロした不健康な体になります。
逆にオメガ3を十分に摂取できていれば、癌を抑制し、免疫力の高い細胞に育ち、血液サラサラの健康体になっていくはずです。
自然食とサプリメントをうまく組み合わせて、オメガ3を積極的に摂取していきましょう、という事を回りくどくお伝えした回でした。
それではこの辺で。
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黒羽根さま
大変勉強になります。
いつもありがとうございますm(_ _)m
私の朝食は水に大麦若葉、岩塩、
サイリウムを混ぜて飲むだけです。
昼は豆乳ヨーグルトを作っているので、
バナナや雑穀など入れて食べております。
自炊しており
夕食にどのような食材を摂取すればよいか、
いつも迷っております。
ネット等で色々調べましたが、解りません。
黒羽根さまのおすすめなら間違いないと
以前より思っておりました。
忙しいとは思いますが、
今回勇気を出してお聞きいたします。
毎日同じ食材でも、生でも全く気にしません。
調理が簡単で、お勧めの
夕食があれば教えて頂きたいです。
よろしくお願いいたします
いつも勉強になります。
僕も栄養のバランスを考慮して、
可能な限り、自然食で済ませたいと
思っています。
以前は、親に言われて、生クルミやサケなど
よく食べていたんですが、最近、
あまり食べていないことに気づきました。
普段の食事に、取り入れていきたいと
思います。
私は、毎朝、スロージューサーで絞った野菜ジュールに、すりゴマと、紫蘇油を入れて、飲んでいますが、紫蘇油を飲むのは夜の方が良いでしょうか?