最近、メールの方で個別に相談が届くのですが、皮膚関係で悩んでいる方がたくさんいます。
肌の赤みが取れない…
乾燥肌でカサカサしている…
或いは脂性でギトギトしている…
頭が薄くなってきた…
などなど、ニキビやアトピーなども含めて、皮膚にトラブルを抱えている方が多いようです。
ただ、皮膚の問題は一概に言う事ができず、様々な原因が考えられます。
腸が汚れていて、その毒物が血液を巡って皮膚に影響を及ぼしている可能性もあります。
その時は腸内洗浄が必要です。
或いは、電気や磁気に過敏な人は電磁波が原因の可能性もあります。
この場合は電磁波対策が必要です。
他にも前回お話したように上咽頭の炎症により、アレルギー反応が出ている事も考えられます。
これは鼻うがい対策が必要となるでしょう。
この他にも色々な原因が考えられるため、対応策は各人の生活状況によって変わって来ます。
ただ、多くの方に共通する原因の1つとして、「界面活性剤」が考えられると思っています。
界面活性剤、ご存知でしょうか?
女性は生活に密着した物質なので知っている方も多いと思いますが、男性は余り知らないかもしれません。
もしくは、名前は聞いた事はあるけれど、よくわからないという方も多いと思います。
界面活性剤とはシャンプーや洗剤に入っている汚れを落とす洗浄成分の事です。
水になじみやすい部分(親水性)と、油になじみやすい部分(親油性)を持ち、油汚れを落とす事ができる物質です。
よく仲が悪い2人を差して、「あの2人はまるで水と油だ」などと言ったりすると思いますが、通常、水と油は混ざり合う事の無い物質です。
水と油の境目である界面には、張力が働いて異なる物質を排除する性質があるからです。
そのため、水だけで油を落とす事はできません。
しかし、水にも油にもなじむ界面活性剤が加わると、水と油の界面の張力が弱まり、油汚れを包み込こんで水中に分散する事ができるのです。
そのため、優れた洗浄成分としてシャンプー、洗剤、歯磨き粉など、我々の生活範囲で幅広く応用されています。
また泡立ちにも関係しているため、よく洗えている実感をもたらす事から、他の洗浄成分より好まれる傾向があります。
しかしながら、この界面活性剤、実は人体にとって毒性があります。
特に化学物質で合成された界面活性剤は非常に強い毒性があり、皮膚に悪影響を及ぼす事がわかっています。
そこで、今回はその界面活性剤に着目して、どうやってその毒性を回避し、皮膚を健康的に保つかという話をしたいと思います。
肌にトラブルのある方、頭が薄くなってきた方にとっては有益な情報になるのではと思っています。
界面活性剤の弊害
さて、界面活性剤は一体どんな悪さをするのか?僕が認識しているのは大きく分けて3つです。
1.角層を破壊する
角層というのは皮膚の最も表面にある層で、死んだ細胞と脂分から構成されています。
一般的な言葉で言うと「垢」、頭皮で言うところの「フケ」です。
垢とかフケとか言うとネガティブなイメージを持たれるかもしれませんが、この角層というのは人体にとって非常に大切な役割を持っています。
色々な働きがあるのですが、最も重要なのは体液を留めるバリア機能です。
僕達の体は6~7割が水だというのは有名ですが、その水分が外に漏れ出さず、体の中にきちんと納まっているのは角層があるからです。
もし、角層が無かったら体表から水分がどんどん蒸発し、最後はカラッカラに干からびたミイラになってしまうのです。
そして、界面活性剤はこの重要な角層を破壊します。
角層バリアが破壊されれば水分が蒸発して乾燥していきますから、その部分の保湿性は失われます。
その結果、肌がガサガサになっていくのです。
洗剤をたくさん使う主婦やファミレスのアルバイトなどの手荒れがひどくなる原因の一端はここにあります。
また、シャンプーなどにより頭皮が乾燥すれば、その部分の新陳代謝が下がり、新しい細胞が生まれにくくなって薄毛などにも繋がって来ます。
更に言えば、角層バリアが破壊されると、外部からの成分が容易に入って来れるようになります。
以前もお伝えしたように、シャンプーや洗剤には発癌性なども含めて様々な有害物質が入っていますが、それがいとも簡単に吸収されてしまうようになるのです。
2.皮脂を必要以上に洗い流す
前途した通り、界面活性剤は油(脂)汚れを落とします。
しかし、その洗浄力が余りにも強く、皮脂を必要以上に取ってしまうのです。
皮脂というとニキビの原因だったり、薄毛の原因だったりと悪者扱いされがちですが、彼らはただ邪魔したくて存在しているわけではありません。
肌の保湿性を保ったり、髪の毛をコーティングして外気から守ったりと極めて重要な働きをしています。
その重要な皮脂を必要以上に取ってしまうとどうなるか?
体は皮脂が足りない事に敏感に反応して、皮脂を分泌する皮脂腺を発達させようとします。
体は抵抗するのです。
体に負荷を与えればそれに負けじと筋肉が発達するように、脂を取ってしまえばそれに負けじと皮脂腺が発達します。
そして、皮脂腺が発達すれば当然皮脂が大量に出るわけで、その結果、ギトギトの脂っこい肌になっていくのです。
それが頭皮であれば毛穴が詰まって、脂漏性脱毛症などを引き起こしたりもします。
また、皮脂腺の発達に栄養が奪われてしまって、毛根が栄養不足に陥り、抜け毛の原因にもなります。
皮肉な話で、脂を取るために行ったシャンプーで、逆に脂っこい頭皮が出来上がってしまうのです。
3.細胞毒性がある
これはそのまんまですが、界面活性剤そのものに毒性があります。
毛穴に浸透して、炎症を起こします。
それが何年も続くと毛穴の周囲のコラーゲンや組織が無くなってきます。
その結果、肌にクレーターのような穴が開いてしまったりするのです。
それが頭皮に起これば当然、抜け毛に繋がります。
細胞毒性は「急性」ではなく、長期間さらされる事で弊害が顕在化してくる「慢性」的なものです。
食品添加物と同じく、10年20年と続ける事で毛穴周りの細胞がどんどん死んでいくのです。
以上3点が界面活性剤の弊害です。
強い洗浄力と引き換えに、僕達の肌に大きなダメージを与えるのがわかって頂けたと思います。
界面活性剤のカテゴリ
ではどうすればいいのか?
界面活性剤とどう向き合っていくべきか?
それを考えるには先に界面活性剤の種類を知っておかなければなりません。
超ザックリですが、僕は界面活性剤を3つのカテゴリに分けて考えています。
1.純石けん
洗浄成分が石けん、具体的に言うと脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムであるものです。
石けんは遠い昔から人間が使ってきたもので長い歴史があり、比較的安全と考えられています。
薄まれば界面活性を失うため、肌荒れも起こしづらいです。
河川に流しても自然分解されるため、川や海の生物にとっても安全です。
2.自然系合成洗剤
洗浄成分が石けん以外のものを合成洗剤と言いますが、その中でも天然の原料から作ったものが自然系合成洗剤です。
オーガニック洗剤などとも呼ばれます。
但し、天然と言っても、天然に存在する物質でできているわけではありません。
天然に存在する物質を原料として化学合成した物質です。あくまで合成されている事を忘れてはいけません。
薄まっても界面活性は残りますし、石けんよりも肌への悪影響や水生生物への害が考えられます。
3.石油系合成洗剤
合成洗剤の内、石油を原料に作られたものです。
予想が付くと思いますが、洗浄力が最も強く、肌へのダメージも深刻です。
非常に安価で大量生産に向いているため、スーパーやドラッグストアなど市販の物は基本的にここに分類されます。
以上、3つの界面活性剤がある事を踏まえた上で、どのように対応するかを各自で決める必要があります。
界面活性剤との付き合い方
恐らく、一般的な人が界面活性剤と対面するのは、シャンプー、ボディソープ、台所用洗剤、洗濯用洗剤、歯磨き粉、当たりになってくると思いますが、これらとどう向き合うかです。
当然、何も使わない事にこした事はありません。
しかし、皿洗いや洗濯物など油汚れが強いものには使わなければならない場面もあるでしょう。
その時は純石けんを使うのが良いかもしれません。
とは言え、石けんにもデメリットはあります。
先程言ったように濃度が薄まると洗浄力が弱るので、ドレッシングなど強い酸性の汚れは苦手だったりします。
また、石けんカスが残ったりする事もあります。
シャンプーなんかは使わない方がいいと思いますが、整髪料などの化学物質をたっぷり付けている場合、それを流せるのは同じ化学物質の合成洗剤です。
その場合は、自然系合成洗剤を使うのが良いかもしれません。
洗濯洗剤はどうでもいいだろうと思われるかもしれませんが、実は合成洗剤で洗った衣類を着るとアレルギーになる事があります。
純石けんに変える事で発疹がピタリと止まった例もあるのです。
ここら辺の対応方法は各人のライフスタイルによってかなり変わってくるはずので、僕は答えは言いません。
というか、答えなんてそもそもないのですが、材料は渡したつもりなので、後は自分の生活を考えて自分なりの答えを出して欲しいと思います。
ここで必死に考えるのと考えないのとで人生は大きく変わってくると思います。
少なくとも、何も考えずに石油系合成洗剤を使い続ければ、その人の皮膚がボロボロになっていく事は間違いありません。
特に、赤ちゃんや子どもは皮膚の吸収力が高いので、お子さんをお持ちの方は真剣に考えてあげて下さい。
という事で、今日は皮膚のトラブルから考えた界面活性剤の取り扱いについてでした。
あ、そうそうシャンプーの話が出たのでついでに言っておきますが、家のシャワーヘッドは浄水機能が付いているものにしておいた方がいいと思います。
前にも言った通り、水道水には塩素やトリハロメタンなど人体に有害な物質がたくさん入っているわけで、それとシャンプーを併用する事を想像して下さい。
界面活性剤で角層バリアが破壊されて剥き出しになった頭皮から、シャンプーに入っている化学成分だけでなく、水道水の塩素やトリハロメタンまでが吸収されてしまいます。
しかも、皮膚は経口と違って自浄作用ありません。
口で食べたものは唾液や胃酸である程度解毒されますが、皮膚はそもそも排泄器官なので、そんな機能は持ってもらず、受け入れた毒をモロそのままに吸収してしまいます。
飲み水に気を使って浄水器を使う人は増えてきましたが、実はそれ以上に皮膚からの吸収に気を付けなければいけないという事を自覚しておいて下さい。
それではまた次回。
PS:
シャワーの怖さが一目でわかる動画を撮ってみました。
石鹸使わなくも重曹だけで皮脂汚れ結構落ちてすっきりします。