2週間程前、久しぶりに実家に帰った時の話。
僕は普段全くテレビを見ないですが(というかテレビを持っていないですが)、実家に帰った時だけは見ています。
と言うのも、こちらの意思とは関係無く常時テレビが付いているので、勝手に目に飛び込んで来てしまいます。
たまには世間がどうなっているか知っておくか、という事で実家に帰った時だけは少し気を許して消極的にテレビを見ているわけです。
そんな中で、1つ気になるニュースがありました。
「空間除菌に根拠なし、17社に措置命令」
こんな仕事をしているせいか、「菌」という言葉には敏感で、思わず食い付いてしまいます。
見ているとどうやら、空間除菌を謳った除菌グッズに対し、科学的根拠が無いという事で、消費者庁がメーカー側に措置命令を出したという事のようでした。
世間知らずな僕は全く知らなかったのですが、最近、空間除菌グッズなる物が流行していたようです。
二酸化塩素に除菌や消臭効果があるという事で、部屋に置いたり、首から下げたりするようなアイテムがかなり出回っていたとの事。
ウチの実家にもありましたし、テレビを見る限り相当流行していた模様です。
しかし最近になって、その除菌効果などに根拠となる裏付けが無いという事がわかったらしいのです。
そして、これに対する消費者の反応が映されたのですが、除菌グッズを購入していたおばちゃん達が凄い勢いで文句を垂れているのです。
「えー、嘘だったの?」
「騙されたわ~」
「たくさん買っちゃってたわよ!」
よく覚えていませんが、こんな感じだったと思います。
なるほど。
僕は除菌グッズに対して何の興味もありませんが、この一連の流れを見ていて、現代人の極めて危うい弱点が露見されているなと感じました。
弱点というのは肉体的にも精神的にもなのですが、非常に重要な事だと思ったので、今日はその内容をシェアしたいと思います。
僕が感じた事は大きく分けて2つです。
1.大衆の科学思考
このニュース、パッと瞬間的にだけ見ると、除菌グッズが詐欺商品のように見えます。
全く効果が無いものを効果があるように見せて、メーカー側が一般人から搾取しているかのように捉えてしまった人も少なくないと思います。
実際、おばちゃん達の反応はそんな感じでした。
しかし、よくよくこのニュースを見ていると、除菌グッズに効果自体はあるのです。
それは実験でも証明されていて、実際に使っているお客さんも効果を実感しています。
ただ因果関係がわからないだけです。
裏付けとなる科学的根拠が見つからないという事で、法律上、誇大広告になってしまうから、宣伝文を控え目にしましょうねという事なのです。
何が言いたいかと言うと、「結果」が出ているという事です。
プロセスは明確ではないかもしれませんが、実際に効果が出ていて、結果が現れています。
にも関わらず、科学的根拠が無いからという理由で何故か怒っている人達がいるのです。
別にいいではないですか。
結果が出ているのであれば怒る必要は無いと思うのです。
これは凄く重要な事だと思っているのですが、現代人は「科学」を妄信し過ぎです。
科学的に証明されていないとなると、どんなに良いものも自動的にダメ扱いする傾向にあります。
どれだけ効果があったとしても、科学的で無ければNGなのです。
しかし、科学の天井は意外に低いものです。
この宇宙や大自然で起こる事象を論理的に科学的に証明できる事なんてほんの一握りしかありません。
何でもかんでも科学科学と言って、「科学=完璧」みたいになっている人が多いですが、科学はそんな万能ではありません。
世の中は科学ではわからない事だらけです。
以前、「水はたくさん飲んだ方がいい」という話をしましたが、それも科学的にはわかっていません。
どんな種類の水が体に良いのか?という事も科学的にわかっていません。
何故、水は冷たい方が美味しいのか?という事すらもわかっていません。
こんな身近な水ですらわからない事ばかりです。
科学は素晴らしい知恵であるとは思いますが、残念ながら現実としてそこまでの力を持っていないのです。
だいたい科学を妄信する人に限って、科学の事を何も勉強していないものです。
おばちゃん達の発言からはそれを感じ取れます。
知識が無くメディアの情報を鵜呑みにしているから、ちょっとした事で右往左往してしまうのです。
逆に科学者なんかは科学に限界がある事をよく知っています。
優れた科学者程、宗教にハマるのは科学では解明できない事がたくさんある事を身を持って知っているからです。
いずれにせよ、僕達が優先すべき事は、結果、実感、効果というものです。
科学的根拠やプロセスを考えるのも大切ですが、優先順位をそこまで高くする必要はありません。
裏付けが整うのを待っていたら、いつまでも健康になんてなれません。
変に科学に固執せず、自分が体感した有益な事をやり続けるべきだと思うのです。
2.脆弱な除菌思考
これまでの話からすると、僕が除菌グッズを推奨しているように見えたかもしれませんが、そんな事はありません。
むしろ、逆です。
除菌グッズは確かに除菌の効果があるかもしれませんが、健康的な体にはなれないと思っています。
僕は健康な体に必要なものの1つとして、「不潔さ」があると思っています。
不潔は人を強くします。
現代人は菌を悪者扱いして、何でもかんでも殺菌除菌をしたがりますが、そんな事をしていると菌に弱い体になります。
僕達は自然に存在する菌やウイルスに触れ、感染する事で抗体や免疫を獲得するのです。
それなのに、外部の力で菌を殺してしまえば、一向に僕達の体は菌に対する耐性を持てません。
そんな抵抗力の低い体で強力な悪い菌に付け込まれたら、それこそアウトです。
周りからかわいがられ守られて育ったボンボンのお坊ちゃんが社会に適応できなくなってしまうのと同じで、無菌で育った人間は全うな人間にはなれません。
僕達は敢えて、不潔な環境に身を置く事で、自分の体を鍛えておく必要があるのです。
そう言えば以前、駅前の無料血液検査を受けた時の事ですが、僕が採血している時に手袋をしたおばちゃんがやって来ました。
そして、検査員に聞くのです。
「手袋を外さないとダメですか?」
この検査は指から採血をするので当然外さなければなりませんが、それを知ったおばちゃんは首を横に振って帰っていきました。
これは現代人特有の潔癖主義だと思いますが、こうなってはいけないという事なのです。
そんな事では健康的な体は遠のくばかりです。
「それは極端な例だよ」と思うかもしれませんが、現代人の多くは近しい事をしていると思います。
怪我をしたら消毒液を使ってみたり…
トイレの後に手を石けんで洗ったり…
毎日シャンプーしてみたり…
僕からすれば全てやり過ぎです。
不潔さが足りない。
それでは強くなれません。
それに過剰な殺菌除菌は善玉菌も殺します。
僕達の体を取り巻く常在菌の中には、悪い菌から守ってくれる良い菌がたくさんいます。
そんな良い菌を消毒液や洗剤で殺してしまえば、ウイルスや細菌が簡単に侵入して来てしまいます。
いいんです。
傷口は水で洗っておけば大丈夫です。
水はもっとも頼りになる薬です。
トイレの後も手は水で軽く洗えば大丈夫です。
確かにウンコをすると大腸菌が付着しますが、流水の水圧でほとんどの菌は洗い流されます。
頭皮の汚れも水で洗えば大丈夫です。
シャンプーなんか使わなくても皮脂は水で落ちます。
むしろ髪を洗わない日を作っても良い位です。
ともかく不潔である事を意識する事です。
現代人は過剰に潔癖なので、意識する位で丁度良くなります。
特に子どものいる方はこの考えを大切にして欲しいと思います。
子どもは3歳頃までに大変な勢いで免疫を獲得するため、その時期はとりわけ不潔なものにさらされるのが大事です。
子どもが何でも口に入れたがるのには意味があるのです。
ちなみに、こういう事を言うと、一部の方から猛反発を受ける事があるのですが、この手の事に反論する人は大抵マスメディアに影響された人間です。
彼らの情報源は基本的に「テレビ」です。
しかし、テレビというのは商売の権化みたいなもので、正しい情報を配信してくれる媒体ではありません。
以前別のところでも言った事がありますが、テレビは動画とキャッチーなテキストを交互に見させる事により、脳を麻痺させて洗脳状態に持って行く仕組みを取っています。
見た人は内容をよくわかっていないはずなのに、何故かそれが正しいものだと刷り込まされてしまうのです。
薬しかり、牛乳しかり、シャンプーしかりです。
それこそ、「科学的根拠」なんていう言葉を使わされて、科学の事を何も知らない癖に踊らされてしまいます。
僕が何でテレビを嫌うかと言えば、そういう風に頭をいじられたくないからです。
電磁波が良く無いとか、ネガティブニュースが多いとか、色々な理由はありますが、最も大きな理由は洗脳されて価値観を見失い、自分で考える思考能力が落ちるためです。
テレビ見ないデメリットも確かにありますが、見るデメリットの方が圧倒的に大きいと考えているので、思い切ってテレビは捨てました。
話が少し逸れてしまいましたが、いずれにせよ、現代人は積極的に不潔になった方が良いという事です。
周りの人間から「ちゃんと洗いなさい」「きちんと消毒しなさい」と言われても無視して汚い自分を貫いて下さい。
その意思こそ、この現代で強く健康的であり続けるための必須条件になるはずです。
という事で除菌グッズのニュースから感じた事をつらつらと書いてみましたが、今日はこの辺で終わりたいと思います。
それでまた。
PS:
シャンプーや石けんで体を洗う事のリスクは、恐怖の界面活性剤でお伝えしています。
分かりました!