「プロテインとアミノ酸、どっちがいいかな?」
ついこの前、友人からこんな事を聞かれました。
この手の質問は以前から何度も受けた事がありますが、筋トレの効果を高めるためのサプリメントとしてどちらを使った方が良いのか迷われている方は結構多いようです。
詳しくない方もいると思うので簡単に説明しますが、筋トレはそれとセットで必ずサプリメントの話がついて回ります。
特に筋肥大を目指す場合、筋肉の栄養源となるタンパク質の補給が大切なので、その補充目的でサプリメントが推奨されています。
そして、そのサプリメントとして出て来るのが、「プロテイン」と「アミノ酸」です。
プロテインは和訳すると「タンパク質」なので、そのままタンパク質のサプリメントという事になります。
一方、アミノ酸はタンパク質が分解された成分です。
消化の必要がありませんので、プロテインよりも吸収が早いサプリメントとして知られています。
これらサプリメントは肉体改造業界において2大勢力として君臨していますが、どちらを使えばいいのかよくわからないと思われる方は多いようです。
特に初心者の方は、様々な情報が入り乱れる中で何が正しいのかわからず、迷われてしまうと聞きます。
そこで、今回はプロテインとアミノ酸、どちらを使うべきかという話をしてみたいと思います。
「こっちがいいよ!」と一概に言える事では無いのですが、どちらを選択すべきかの材料をお渡しするつもりです。
また、後半では具体的なサプリメント選びの基準をお伝えし、絶対に買ってはいけないサプリメント、逆に積極的に買いたいサプリメントの話もしていこうと思っています。
健康的且つ効率的に筋肉を発達させていくサプリメント選びに興味があるという方は、この先読み進めてもらえたらと思います。
プロテインとアミノ酸の違い
さて、先程も言ったようにプロテインとアミノ酸、どちらを使うべきかは一概に言う事はできません。
それは、トレーニング内容と性格に依存するからです。
人によって色々な考え方があるとは思いますが、僕がプロテインとアミノ酸の違いを一言で言うならば、「オートマ」か「マニュアル」かです。
これは自動車の変速方式の事を差していますが、プロテイン=オートマで、アミノ酸=マニュアルです。
ご存知の通り、オートマというのは運転が簡単です。
機械が自動で変速してくれますから、こちらで特別意識して操作する事はありません。
そして、通常走行をしている限り、シフトチェンジの精度は非常に高いです。
また、安全性や確実性も高いため、初心者でも簡単に扱う事ができます。
しかし、細かい要求には対応できません。
何せ機械が自動で判断している事ですから、自分がこうしたいと思った事とズレる事があります。
特にハイスピードで走ったり、勾配のきつい坂道を走ったりする上級向けの走行でズレは顕著になり、パフォーマンスも下がります。
一方、マニュアルの運転は難しいです。
自分でスピードを感知しながら、両手両足を使ってギアをチェンジしなければなりません。
初心者の内は変速に失敗する事も多く、オートマよりも精度は落ちてしまうでしょう。
但し、どんな細かい要求にも答える事ができます。
自分の意思と手足で操作しているため、慣れればあらゆる状況に対応する事が可能です。
難易度が高くオートマでは付いてこれないような状況でも、本人の力量次第で乗り越えていく事ができるでしょう。
レース用の車がマニュアルなのもそのためです。
それぞれの使用方法
そして、プロテインとアミノ酸もこの関係に当たります。
プロテインの使い方は簡単です。
筋トレ後に指定の量を飲んで終わり。
後は、吸収されたタンパク質が分解されて、筋肉になるのを待っていればいいだけです。
特に何か工夫をする必要も無く、それでいて効果もかなり期待できると思います。
但し、プロテインはオートマなので応用力がありません。
具体的に言うと、筋トレ「前」に摂取して筋肉の分解を止めたり、筋トレ「中」に飲んで筋トレそのもののパフォーマンスを高めたり、そういう事には向いていません。
プロテインの使い道は基本的に、筋トレ「後」における筋肉の合成や回復なのです。
それは、プロテインがタンパク質であって消化が必要だからです。
タンパク質の摂取は、言ってみれば「食事」ですから、筋トレ前や筋トレ中に飲む事はできないのです。
まあ無理矢理飲んでいる人もいるみたいですが、体の仕組みから考えた場合、お勧めできる事ではありません。
例えば、筋トレ中にプロテインを飲むという事は消化と運動を同時に行っているという事になります。
ご存知の方も多い通り、消化というのは大量の酵素を使いますから、それと運動を掛け合わせれば体に大きな負担がかかるのは勿論、運動効率も悪化してしまいます。
ですから、プロテインは筋トレ後の使用が基本で、応用幅が少ないというデメリットがあります。
一方、アミノ酸は既に分解済みです。
消化は必要ありませんので、筋トレ前にも筋トレ中に飲んでも体に負担はかかりません。
速攻で代謝されるので、すぐに栄養源として使う事もできます。
筋トレ前に飲んでおけば筋肉の分解を防げます。
意識していない方も多いかもしれませんが、実は筋トレを始めるとその瞬間から筋肉はどんどん分解されていきます。
筋肥大を目指す方にとって、それを食い止めるのは結構重要なのです。
更に、筋トレ中に飲む事で筋トレのパフォーマンスを上げる事もできます。
物にもよりますが、筋トレで発揮できるパワーや持続力を高めて、筋トレそのものの効率を上げる事ができるようになるのです。
勿論、プロテインのように筋トレ後に飲む事で筋肉の回復や合成を促進させる事も可能です。
アミノ酸は融通が利いて細かいニーズに対応できるのです。
但し、マニュアルなので簡単ではありません。
筋トレ「前」「中」「後」というそれぞれのタイミングで何を摂取するかをじっくり考える必要があります。
アミノ酸は種類も多いので、調べる事も多くなるでしょう。
トレーニング内容によっては臨機応変に使い分ける必要もあります。
配分やタイミングをミスして失敗する事もあります。
色んな種類を揃えるとなると、経済的負担も大きくなります。
プロテインよりも様々な可能性を秘めているのと引き換えに、手軽さや手堅さが欠けているのがアミノ酸という事です。
この話を聞いた上で、どちらを使うべきか判断します。
どっちが良いとかそういうのはありません。
どっちが自分に合っているかです。
個人的には初心者や低中強度のトレーニングをしている人は
プロテインを使えばいいのかなと思います。
逆に上級者やハードなトレーニングをしている人はアミノ酸を使った方が合っている気がします。
後は性格の問題です。
車でもオートマ派とマニュアル派がいる通り、純粋にどちらが好みかというは大事です。
とりあえず簡単な方が好きという人はプロテインにするのが良いかもしれません。
自分であれこれ操作したいという人は、アミノ酸を選ぶと楽しくて継続性が高まるかもしれません。
最初にプロテインかアミノ酸かはトレーニング内容と性格によって変わると言ったはこういう事ですので、まずは自分にどちらが合うかをじっくり考えてみて下さい。
プロテインの選び方
さて、それではここからは具体的にサプリメントを買うにあたっての指針です。
プロテインにするのか、アミノ酸にするのか、自分の中で一定の答えが出たとしましょう。
そうなった時、実際にどんなサプリメントを買えばいいのかという話です。
プロテインもアミノ酸も市場には死ぬ程出回っていて、中には粗悪な商品や健康を害するものもたくさんありますから、今からお伝えする基準を参考に選んでもらえたらと思います。
まずはプロテイン。
これは昔からずっと言っている事ですが、一番重要なのはホエイプロテインを買わない事。
現在最も有名で最も売れているプロテインは牛乳をベースとしたホエイプロテインですが、こちらは控えるべきと考えています。
このブログを見ている人は健康に関心があると思うので「牛乳」と聞いただけで手が止まるとは思うのですが、知らない方のためにも言っておきます。
ホエイプロテインは「α-ラクトアルブミン」や「β-ラクトグロブリン」など高度に濃縮されたアレルゲンを含み、持続的なアレルギー反応を起こす可能性があります。
実際、多くの人々がホエイプロテインのサプリメントの摂取により、膨満感、ガス、便秘、ニキビなどの副作用を経験されています。
牛乳のアレルギー物質として有名なカゼインやラクトースを含まないから安全と思っている方もいますが、それとは別にもアレルゲンはたくさん入っているのです。
また、ホエイプロテインにはコレステロールが非常に高くなりやすいというデータがあり、動脈硬化などのリスクに繋がる可能性もあります。
筋肥大という意味では効果が高いのは事実ですが、長期的な健康面までを考慮するなら避けるべきと思います。
ではどんなプロテインを選べばいいかと言うと、これも昔から言っている事ですが、「玄米」「イエローピー」「ヘンプ」です。
全て健康面への心配が無い植物性タンパク質です。
玄米は皆さん知っている通りの物ですので敢えて説明する事も無いでしょう。
イエローピーは聞いた事が無い人もいると思いますが、黄色エンドウ豆とも言われ、良質なタンパク質を含んでいます。
そして、イエローピーは玄米と「アミノ酸スコア」が相補的であると言われています。
アミノ酸スコアとは必須アミノ酸のバランスを評価するスコアで、全て存在する場合にはそのスコアが100点となるものです。
玄米とイエローピーは突出した必須アミノ酸を含む一方、足りない必須アミノ酸があるのですが、2つが合わさる事で足りない部分を相互的に補完し、完全体となるのです。
ですから、この2つはブレンドして摂れると、より一層効果が高くなると言えます。
ヘンプは「麻」です。
麻というと「大麻」で有名ですが、ヘンプに麻薬作用は無いので安心して下さい。
少し細かい事を言うと麻の麻薬成分はTHCというものなのですが、それが1%以下のものをヘンプ、3~15%のものをマリファナと言います。
日本では栽培自体が取り締められているので、海外経由でしか手に入りませんが、非常に優秀なタンパク質なのでお勧めしています。
アミノ酸の選び方
アミノ酸で注意すべきは「L型」のものを買うという事です。
アミノ酸は立体構造の回転の向きから右巻きのL型と、左巻きのD型というものがあるのですが、生物の体に存在するタンパク質を作っているのは全てL型です。
体内酵素はL型アミノ酸だけを使ってタンパク質を作り上げます。
D型というのは人工的に精製されたアミノ酸ですが、こちらは体内で代謝してくれないので全く意味がありません。
それどころか免疫機構を破壊するとさえ言われていますので、必ずL型を選ぶようにして下さい。
見分け方は簡単です。
成分表を見て、L-リジン、L-ロイシン、L-アルギニンのように前に「L」が付いていればOKです。
気を付けなければいけないのは、前に何も付いていない場合です。
サプリメントにはL型D型の表示義務は無いそうなので、D型の場合は表記されていない事があります。
その時はメーカーに問い合わせるか、見送るかした方が良いと思います。
ちなみに、アミノ酸の中でも「グリシン」だけは構造上、L型とD型の区別が無いため、「L」という表記が無くても大丈夫です。
後、気を付けるべき事と言えば、なるべく余計な物が入っていない事。
味付け目的で人工甘味料などを入れるところがありますが、そういうものは慢性毒性が強い物が多いですので、狙ったアミノ酸成分だけ入っている物を選んで下さい。
その他、細かい事を言い出せばキリがありませんが、一先ず今日お話した事を参考にしてもらえたらと思います。
という事で今日はこの辺で終わりたいと思いますが、是非とも自分に合ったサプリメントを選んで楽しく肉体改造に励んでみて下さい。
それではまた。
筋肉はタンパク質(プロテイン)だけで作られるわけではありませんから、タンパク質(プロテイン)だけ多く採っても意味がありませんよね。
タンパク質は「サプリメント」で採るのではなくて、バランスの良い「食事」で「他の栄養素と同時に摂取」するからこそ効果があると思います。
1つの栄養素だけを過剰に採っても、吸収されませんから無駄になりますし、そもそも健康面を考えた場合、体に悪いのではないでしょうか?
なるほどー、とても役立ちました!!
ありがとうございます。
ちなみに、プロテインを飲むタイミングで
一般的には、筋トレ後と
寝る前にも飲むといいと言われていますが・・・
寝る時は、胃が空な状態がいいと聞くので
筋肉の成長には、寝る前に飲むのも有効だが
ただし健康的にはあんまり良くないと考えていいのでしょうか?
もしお時間ありましたら、ご回答いただければうれしいです。
プロテインとアミノ酸の違いが良くわかりました!
今のところ私はプロテインでいいかなーという
感じですが、もう少し筋トレが上達したら
アミノ酸も取り入れてみようと思います。
ちなみに、大豆由来のソイプロテインは
いかがなものでしょうか?
いつも有益な情報ありがとうございます(^^)