【転記】コーリング(天職)

生活

※この記事はメルマガの転記(哲学レポート)です。

とあるセミナーでの話。

そこで「仕事の5段階」と言うものが話されていました。

僕達の仕事のレベルは5つあるというものです。

LV1:労働(Labor)

心無く、機械のように淡々と働いている段階です。

ただの作業で充実感はありません。

アルバイトとか工場の流れ作業とかが当たると思います。

LV2:仕事(Work)

積極的にやりたくはないけれど、やっている事に意味を見出せる段階です。

それなりに向上心を持って臨めるし、そこそこ充足感を感じます。

会社員の多くの方はここだと思います。

LV3:天職(Calling)

自分が心の底からやりたいと思える事ができている段階です。

精神的な充足感が得られます。

芸術家とか起業家に多くなってきます。

LV4:自己実現(Self-Actualization)

自分の理想が実現していく事により、他人の理想が実現していく段階です。

自分=他人という感覚が出て来ます。

天職にいる人は自動的にここに入れる事が多いそうです。

LV5:自己超越(Self-Transcendence)

自己がどうでもよくなってしまい、他人のために全てを捧げる段階です。

悟りを開いたような感じだと思います。

ガンジーやマザーテレサなどがここなのでしょう。

以上、5段階があるという話だったのですが、ここで考えて欲しいのは自分の位置です。

恐らく、多くの方はLV2の仕事(Work)にいると推測されます。

セミナーでも日本人だとLV1とLV2を合わせて9割以上になるだろうと話されていました。

そこで、今回はLV3の天職(Calling)に入るための方法論を述べてみたいと思いました。

このストレス社会の世の中、自分の天職に付きたいと考える人は多いと思います。

自分探しの旅に出てしまう人も多いように、恐らくもっと自分らしく生きたいと願い、それを仕事にしたいと思う方は多数いると思うのです。

仕事の5段階においてLV2とLV3の隔たりは大きく、ここを乗り越えるのは非常に難しい事なので、そこを少しでもお手伝いできたらと思います。

自分のコア

さて、天職(Calling)です。

まず言葉の確認ですが、何故、天職がCalling(コーリング)というのかと言うと、「神の声」というものから来ています。

神様から「お前の使命はこれですよ」というお声がかかるという意味です。

そう言った意味で、天職は自己啓発で言うところのコア、ミッション、夢ともほぼ同義と思って下さい。

自分のコア、ミッション、夢、天職、そういった自分がやるべき事を見つけ、充足感に包まれて生きるにはどうすればいいのか?

というのが今回の話になります。

まず、最初に考えておきたいのが、コア探しの方法論として自己啓発系でもよく使われる「ブレインダンプ」です。

これは日本だと平秀信さんが広めてくれたので知っている人は結構多いかと思います。

ザックリ言うと、好きな事や得意な事をノートに書き出しながら自分の過去を掘り下げていく方法です。

元々は目標設定のために使われていたと思いますが、今では色んな事に応用されて、コアや天職探しの一貫として教えている人が増えています。

では、果たしてこれで本当にコアとご対面できるのでしょうか?

個人的には難しいと思っています。

というのも、ブレインダンプによってコアを見つけたであろう人を僕は知らないからです。

僕も何回かやった事がありますが、見つけられた事がありません。

自分を掘り下げる事で色々な発見はあり、それはそれで価値がありますが、コアに至った感じはありません。

何かヒントが見つかりそうな感覚はあるのですがが、「これだ!」というところまでは繋がらなかったのです。

一応、「ブレインダンプでコアを見つけたぞ!」と叫んでいる人がいる事はいるのですが、そういう人はだいたいコア探し自体を教える先生になっています。

多分、見つからなかったんだと思います。

見つからなかったら先生をしているのです。

自分のコアが見つかっていない事を棚に上げて他人の天職を見つける事が自分の天職だと勘違いしている人は結構いるものです。

とにかく、実体験から考えて、天職やコアはブレインダンプだけでは見つからないと思います。

少なくとも再現性はそんなに高くないはずです。

これだけブレインダンプが普及しているのにも関わらず、未だに自分を見つけられない人が多いのはその証拠です。

コアは自分に中にあるのか?

ここでもう少し深く考えていきたいのですが、そもそも本当にコアは自分の中にあるのでしょうか?

ブレインダンプは自分の中からコアを探し出すという感じだと思いますが、そもそも論としてコアは自分の中に埋まっているものなのでしょうか?

僕はそれは半分合っているけど、半分違うと思います。

コア、ミッション、夢、天職という性質を改めて考えると、そこには「世の為、人の為」というニュアンスがあります。

ここではしっかり定義する事はしませんが、感覚的に一人で自己満足しているのではなく、他者の役に立つという意味合いがあると思います。

つまり、自分一人では完結できないものです。

世界や人々との関わりが必ずあります。

そうった外部要因があるという事は、自分の中だけをこねくり回しても恐らく見つからないと考えられます。

もしかしたら、コアは自分の中だけではなく、外を向いてみないと見つからないのではないか、という仮説が立つわけです。

世界のためになる事

そこでもう1つ考えたいのが「世界の救済」という発想です。

これも自己啓発なんかでは言われる事ですが、天職探しの一貫として、世界のためになる事を考えて突き詰めていこうとする方法があります。

大雑把な例で言えば、世界から戦争を止めるとか、世の中から病気を無くすとかそいういうものです。

そうやって世の中で起こっている問題を自分が解決していく事で充足感を感じながら仕事をしていけるという考え方です。

確かに、皆が困っている事を解決する事で充実した人生を歩む事はできるかもしれません。

しかし、この方法で考えていっても、やはりコアや天職という意味においてピンとくるものに出会う事は無いと思います。

ブレインダンプよりもっと無いと思います。

だいたいは話が大きくなり過ぎて、地に足が付かないで終わります。

フワフワしたイデアの世界の中で止まってしまい、ちっとも現実味を帯びてこれないのです。

アイデンティティ

ではどうすればいいのか?

今度は新たな角度から考えてみます。

意識している人がどれだけいるかわかりませんが、コアや天職には「代替不可能」という要素があります。

誰にでもできる作業やルーティーンであれば、それはLaborでありWorkになってしまうでしょう。

「自分にしかできない」

これがポイントになってきます。

という事はコアや天職はその人そのものであり、という事は自我やアイデンティティに繋がるものではないかと考える事ができます。

自我が確立された時に初めてコアが見えて、それを仕事にしたものが天職という事です。

では自我はどうやって決まるのか?

この考え方もまた色々とあると思うのですが、僕は以前、自我は他者から規定されるという事を教わった事があります。

確かマルティン・ブーバーという思想家が言った事だと思いますが、自分を決めるのは他人だという発想です。

例えば、「父」がいる事で初めて自分は「息子」になれます。

「生徒」がいる事で初めて自分は「先生」になれます。

こうやって相手がいるからこそ、自分の存在が決まるというものです。

ついでに言うと、「愛」も他者から規定されます。

僕達は一人ぽっちで何かを愛する事はできなくて、愛してもらえる人がいる事で、初めてその人を愛する事ができるというものです。

当たりえ前と言えば当たり前かもしれませんが、これは結構、重要な事だと思うのです。

つまり、コアや天職も他人から規定されると考えてみるのはどうかという事です。

先程の「息子」や「先生」というレベルではなく、存在そのものにおける役割を他者から規定されれば自ずとコアや天職が見えてくると思うのです。

存在の規定

では、存在そのものの役割を他者から規定されるにはどうすればいいのか?

結論から言うと、それは自分のユニークな部分を表現していく事だと思っています。

他者とは違うオリジナルな自分を全面的に提示し、そのオリジナルが他者から規定される事で、存在レベルで自我が形成されると考えています。

そして、そうやって形成された深い自我はまさしくコアや転職に繋がると思うのです。

話が抽象的で難しく聞こえるかもしれませんが、少し具体的に言ってみましょう。

例えば、僕は周りから健康オタクと言われます。

家族、友人、恋人などからそういう存在に思われています。

最初は笑い話で終わりますが、何度も繰り返し言われる事で自分はそういう人間なんだという自我が芽生えてきます。

その内、母親の病気のアドバイスをしたり、友達のダイエットに口を出す機会が出て来て、「お前凄いな」「さすが~」などと言われると、その自我は強化されてきます。

そして、今度は調子に乗ってメルマガなどを発行し、「ありがとうございます」「目からウロコです」などの反応を貰い、自我はますます強固になります。

そうやって「これは自分の天職なんじゃないだろうか?」というある種の勘違いが生まれてきて、それが更なる行動力を伴い、本当にそれを実現させるに至ってくるのです。

一応言っておきますが、僕の場合のユニークが「健康」という単純なものであるわけではありません。

健康に詳しい人はたくさんいますから、それだけでは強い自我は作れません。

そこに筋トレとかハーブとか生理学とかがミックスされてユニークネスが形成されています。

そのミックスされたユニークは積み重ねと精進により、必然と世界に少ない存在になっていきますから、代替不可能である天職に近づいていく事になります。

コアを見つける2ステップ

そう考えていくとコア探しは2段階構成で説明ができると思います。

1.ユニークネスと対面する

まずは自分のユニーク性を探す必要があります。

それこそブレインダンプでもいいのですが、パッション、コンプレックス、特技などから自分らしさを探し出します。

そして、それらの「組み合わせ」により、自分の中の輝く個を見つけます。

2.自己表現する

1で理解した自分のユニークネスを他者に示します。

最終的に自我は他者から規定されるわけですから、必ず外界と交わって反応を貰わねばなりません。

人と会って話したりアドバイスするでもいいし、ブログを書いたりでも何でも構いません。

簡素に纏めると以上2ステップがコア探し、天職探しの方法論です。

ブレインダンプで見つからない人は2をしないからです。

他者から規定されるという決定的な部分が抜けています。

世界を救う発想で実らないのはそもそも1をしないからです。

自分を無視するから話が前に進んでいかないのです。

そして、僕が思うに1はそれなりにやっている人がいますが、2までやれている人が圧倒的に少ないように感じます。

自分の好きな事、やりたい事を自覚するまではできても、それを全面的に披露して表現する事ができていないのです。

そこにはある種の恥ずかしさもあるからでしょう。

ユニークネスは表現すると必ず「変態」扱いされます。

もしくは「オタク」「マニア」などの言葉が出て来ます。

人と違う事を言うのですから当たり前です。

僕が「米は生で食べます」と言うと、ほとんどの人が引いてしまうように、「テレビを持っていません」と言うと、かわいそうな目で見られてしまうように、何かしらネガティブな反応を受ける事になります。

しかし、そういう状況になったら、それはコアに近づいている証拠でもあるのです。

むしろ喜んで、その行動を加速すべきです。

変態扱いされる事で、自分はどんどんそこに規定されていきます。

僕の例だと分かり辛いかもしれませんが、身近では路上ライブをしている歌手などが良いイメージになると思います。

道端で歌うのは傍から見ると恥ずかしそうですが、そういう事をしてお客さんから反応を貰う事により、自我が規定されコアに向かって歩いていけるのです。

大切なのは、コアは一人で完結しない事というです。

よく「無人島でもやり続けられるものがコア」と主張する人がいますが、それは違うと思います。

いくら歌が好きでも、観客ゼロでライブはしないはずです。

できるのだとしたら、それはコアではなく、多分、性癖とかに近いものだと思います。

コアは自分のユニークネスと、それを認める他者がいて初めて成り立ちます。

両輪が揃って初めてコーリングが聞こえてくるのです。

多くの勘違い

ちなみに、コアに関して多くの人が誤解している事があります。

コアは自分の中に1つだけあって、生涯不変であるという考えです。

僕はそうでは無い思っています。

コアは一生に一つ光り輝くものではなく、たくさんあって、変化するものです。

先程、言ったようにコアの要素は2つあります。

自分の中から出てきたユニークネスと、それを決定付ける他者です。

そして、自分も他者も時間と共に変化します。

要因である2つが変化するのですから、結果であるコアも同時に動くのが当たり前です。

動くスピードは人や状況によって異なりますが、数ヶ月で動く事もあれば、数十年動かない事もあります。

いずれにせよ「動く」ものです。

ですから、一度見つけて安泰というわけにはいきません。

動くコアを常に確認し、それと向き合っていく、というのが本当に真摯な生き方だと思います。

大変なように感じてしまうかもしれませんが、これこそが最も充実した生き方なのです。

ソウルメイト

ついでに言っておくとソウルメイトの見つけ方もコアと同じです。

ソウルメイトは一般的には生涯最高のパートナーと言われますが、コア同様相手やはり他者から規定されると考えています。

もう少し言うと、自分のコアに引き寄せられた人がソウルメイトです。

逆に言えば、コアを提示しなければ一生ソウルメイトは見つかりません。

自分探しを怠け、自己表現を怠け、ただ出会いだけを増やしている人は一生満足な恋愛はできないでしょう。

自分を見つけ、それを正直に提示して、それに引かれる異性を待つのです。

そこにやってきた人がソウルメイトだと思って下さい。

更に言っておくと、コアが動くのと同じくソウルメイトも動きます。

ソウルメイトはコアによって繋がるのですから、コアが変わればソウルメイトも変わらざるを得ません。

もし、変わらないのであれば、それは二人が成長していないという事です。

コアに従い正しく生きていれば、いつかソウルメイトとは別れが来ます。

それは正常な事だという事を理解しておいて下さい。

生涯のパートナーなんてのは幻想なのです。

天職への可能性

少し脱線が過ぎてしまいましたが、最後に天職についての補足です。

天職探しでは、自分の今の状況を大切にして欲しいと思っています。

自分が今置かれている環境を嘆いて、天職探しを諦めてしまう人は結構います。

例えば、医療関係者としてバリバリ頑張ってた人が医療の悲惨さに気付いてしまったような場合、大抵の人は状況を嘆くだけで終わってしまいます。

しかし、これはチャンスと捉えるべきです。

自分の成長によって動いた状況は、光輝くコアとなる可能性があります。

例えば、あるお医者さんは自分が医者になった後で薬や手術の危険性に気付き、医学界に絶望をしました。

多くの医者はそういう事に気付いたとしてもそこで目をつむって医者を続けてしまいますが、そういう人は一生天職という感覚を持てません。

しかし、彼は医者が医者を糾弾する形で情報配信を始めました。

健康業界に医者の悪口を言う人は多いですが、バリバリの医者がそれを言うのは面白いですよね。

医学の知識があるから、一般人より薬の危険性などを具体的に示せるだろうし、何より説得力があります。

そして、それが彼のユニークネスであり、天職に結び付く根本になっていきました。

とにかく今の自分の状況を恨まない事です。

大切に考えて下さい。

今のその環境にこそ、ユニークネスが眠っている可能性が高いのです。

そして、そのユニークネスを呼び起こす事が、コーリングを聞く第一歩となるはずです。

という事で長くなりましたが今日は天職の見つけ方について書いてみました。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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