バーベルのススメ

運動

コンサルなどを通して色んな方と話していて思うのですが、やはり筋トレはダンベルを使っている方が多いなぁと。

以前の記事で、僕は筋トレに自重とフリーウェイトの両立を勧めている事を書きましたが、そのフリーには大きく分けてバーベルとダンベルがあります。

バーベル ダンベル

そして、恐らく80%位の方はダンベルを使って筋トレしていると思います。

しかし、僕は敢えてバーベルをお勧めしています。

ダンベルも良いのですがあくまでサブで、メインはバーベルが良いと思っています。

ただ、こんな事を言うと、

「そんなのおけるスペースが無っしょ」
「初心者にはきついっしょ」

という2つの理由から、そんなの無理無理説が浮上して何の話も聞いてもらえなくなるので、まずその勘違いをこの場で是正致したく。

最初にスペースの件。

ジムに行っている人は関係の無い事ですが、バーベルは場所を取ると思われる節があります。

確かに長いです。

ダンベルよりかさばるのは事実です。

しかし、実はバーベルの大きさはピンキリで、六畳一間の家に置いてもそんなに気にならない大きさのものもあります。

例えばこれ。

120cmバー

長さが120cm程度のバーベルです。

これ位だったら部屋の隅にでも立てかけとくと、別段邪魔になる事はありません。

トレーニング中も何かにぶつかってしまうリスクは相当小さくなると思います。

バーベルというとウェイトリフティングで使うような180cm~200cm位の長い物を想定しがちですが、実は部屋における位の小さなサイズもあるのです。

勿論、短ければ付けられる重りの数は減りますが、一般人がトレーニングする分には十分だと思います。

次に初心者にはきつい件。

僕はむしろ初心者にこそバーベルが良いのではないかと思っています。

いかんせんボディビルダーなどが使う高重量イメージが先行して上級者向けと思いがちですが、重りを調節すれば初心者でも十分扱えます。

そして、両手で一つのバーを操作するバーベルは、左右の手をバラバラに独立して動かさなければならないダンベルよりも扱いが遥かに簡単です。

例えば、ショルダープレス。

ダンベルを使うと、両手がバラバラに動くのでバランスを取るのが結構大変だったりします。

ショルダープレス

また、利き腕でない方が先に疲れてしまう事もあり、両側を同時に限界まで鍛えるのが困難な面があります。

一方バーベルの場合、相対するのは一つのバーですから、当然バランスはとり易くなります。

バーベルショルダープレス

片側が先に疲れても、もう片側が支えになるので両側とも平行して追い込む事ができます。

他にも理由はあるのですが、主にこうした事から僕はバーベルの方が初心者向きだと思っています。

実はダンベルこそ上級者向けなのです。

バーベルである程度の体ができた人が更に上を目指す時、片側ずつ細かく丁寧に鍛える事を目的としてダンベルが大きな効果を発揮すると考えています。

バーベルのメリット

さて、一先ずこれでバーベル拒否反応は拭ってもらえたと信じる事にしまして、ここからはバーベルを使うとどんな良い事があるのかをお伝えしたいと思います。

バーベルのメリットです。

1.時間を節約できる

ダンベルでは左右バラバラに鍛えなければならない種目も、バーベルを使うと1度で両方とも鍛えられる事があります。

例えば、背中を鍛える種目にダンベルローイングというものがあります。

ダンベルロウ

これは片手を椅子などに付いて、もう片方の手でダンベルを引き上げるものですが、基本的に片方ずつやらざるを得ません。

右側を10回やって、左側を10回やって、やっと1セットです。

しかし、バーベルを使ってバーベルローイングにすると、両手を使って同時に引き上げる事が可能となるため、1セットで左右両方を鍛える事ができます。

バーベルローイング

これはかなりの時間短縮になる事がわかると思います。

3セットやるとなると、ダンベルローイングは左右で60回ですが、バーベルローイングなら30回で済む事になるわけです。

一応、ダンベルで無理くり両手でやる方法もあるのですが、ダンベルの形状的に重りが体に当たってしまうため、可動域が狭まり、効果が半減してしまいます。

ダンベルローイング衝突

更に、時間の節約として重要になるのが、重りの変更スピードです。

ダンベルは留め具が基本的にスクリュー方式で、クルクル回して取り外す必要があるのですが、これは結構時間がかかります。

スクリューカラー

しかも、両手同時に使う場合、計4ヶ所ありますからその変更だけで1分以上かかる事も出て来ます。

しかし、バーベルはスクリュー方式ではなく、簡易なネジで留める方式になっているため、取り外しが非常に簡単です。

ノーマルカラー

他にもスプリング式、ワンタッチ式などがあり、いずれもすぐに変更する事ができます。

そして、ダンベルと違って取り外し箇所は2ヶ所ですから、重りの変更速度に圧倒的な差が出て来るのはわかると思います。

ちなみに、何でこんな違いがあるのかと言うと、ダンベルはブンブン振り回すような運動が多いため、安全性を考慮してスクリュー式になっています。

例えば、サイドレイズとかキックバックとか、結構激しく動かすものもあるので、重りが落ちないように留め具も慎重なのです。

サイドレイズ キックバック

一方、バーベル運動は単純な直線動作がほとんどで、重りが抜け落ちるようなリスクがほぼ皆無である事から、簡易に取り外せる方式になっています。

重りの変更というのは、それだけで結構ストレスにもなるので、そういう意味でもバーベルの有用性は高いと思っています。

2.左右のバランスが良くなる

先程も言った通り、バーベルは1つのバーを両手で持つので、左右の力が拮抗しやすくなります。

例えば、アームカール。

ダンベルだとバーが左右で独立していますから、右手と左手の力の差によって、重りが変わります。

アームカール

そのため、利き腕の方が発達していきやすく、左右の差が結構開いてしまうのです。

一方、バーベルではバーが共通ですから、必然と左右で同じ重量を扱う事になります。

バーベルアームカール

そして、片方の腕が先に疲れてしまっても、もう片方がバーを伝ってカバーしてくれます。

その結果、左右の力のバランスに拮抗が取れるのです。

3.高重量を扱える

何と言ってもこれが一番重要な事ですが、バーベルの方がたくさん重りを付けられます。

つまり、高重量を扱えます。

これはコンサルなどをしていて思うのですが、皆、重りが軽すぎます。

例えば、自宅で胸を鍛えようとする人は、ダンベルベンチプレスなどをするわけですが、重りが片方20kg程度なのです。

その重さが限界フラフラだったら別にいいですが、普通に10回できている人達が、更に鍛えたい癖にその重さで止まっているのは問題です。

そこで止まっている理由はダンベルに重りを付けるスペースが無くなってくるからです。

正確に言えば、スペースそのものはあるのですが、重りを増やし過ぎると、先程のローイング運動のように体にぶつかってしまうのです。

これはダンベルの形状の問題なので仕方ありません。

体にぶつかれば当然可動域が制限されてしまうので、せっかく重りを上げても十分に鍛えられなくなるわけです。

ダンベルには限界がある事を理解して下さい。

しかも、その限界は結構早くきます。

一方で、バーベルは重りを付けるスペースが体から相当離れますので、重りを増やしても邪魔になるような事はありません。

ベンチプレス余裕_edited-1

果てしなく重りを増やしていく事ができるため、非常に高重量のトレーニングが可能になってくるのです。

先程紹介した120cm程度のバーベルだったとしても、相当量の重りを付加する事ができます。

4.種目が増える

ダンベルにはできないバーベル特有のトレーニングができるようになります。

先程お話したバーベルローイングもそうです。

別名ベントオーバーローイングとも言いますが、これはバーベルでしかできません。

他にも背中の王様デッドリフト、全身を鍛えられるパワークリーン。

バーベルローイング デッドリフト パワークリーン

これらはバーベルでしかできません。

ダンベルだと体にぶつかってしまうし、手首周りの制限もあって不可能なのです。

それからダンベルでも一応はできるけど、バーベルの方が圧倒的にやりやすいものもあります。

例えば胸の王様ベンチプレス、それに脚の王様スクワット、或いは肩の王様ショルダープレス。

ベンチプレス スクワット バーベルショルダープレス

スクワットなんかはダンベルを持ってもできますが、多分重量的に握力が付いてこれなくなります。

総じて、バーベルを扱うと多関節種目を使える事が多くなりますので、僕が良く言う「実用性」という部分の向上も見込めると思います。

5.スカッとする

個人的には凄く大事なのですが、バーベル運動は大きなパワーを使うため、全力を出し切る快感があります。

これはやった事のある人しかわからないと思いますが、ダンベルでチマチマと体をいじめていくよりも、圧倒的な爽快感を感じる事ができるのです。

近い例で言えば、大声で叫ぶような感覚に似ていて、スカッとしてストレスも全て飛んでいくような感じです。

そういう意味でトレーニングの楽しさにも繋がり、「継続性」という面において、非常に重要な役割を持つ事になると思っています。

筋トレが3日坊主になってしまうのは、こうした爽快感を感じてトレーニングできていない事が大きな原因であると僕は睨んでいます。
 
まあ継続性に関しては非常に繊細な問題なので、また別の機会に詳しくお伝えしてみたいと思いますが、いずれにせよ、バーベル運動は意外と気持ち良いのです。

以上、5点バーベルのメリットを書いてみました。

勿論、ダンベルにもダンベルの良いところがあるのですが、今までバーベルを敬遠していた方のパラダイムが少しでも変わったらいいなという思いで綴ってみました。

初心者へのおススメ

ちなみに、今回の記事を見て「よし、バーベル買っちゃうぞ!」と思った初心者の方に1つお勧めを。

「Wバー」というものがあります。

Wバー

持つところがW字に曲がっているバーベルで、通常のバーより持ちやすくなっています。

人間が物を握る角度に合わせて作られていますので、アームカール、ベンチプレス、ショルダープレスなど、あらゆるトレーニングがやりやすくなっています。

長さも120cm程度でかさばりません。

これ1つで、胸、背中、肩、腕、脚など、体を一通り鍛える事もできますので、良かったら参考にしてみて下さい。

あっ、Wバーは重りの留め具部分がスクリュー式のものも売られていますので、そこだけ間違えないようご注意を。

本格的にガッツリやろうと思っている方は、180cm以上の通常バーを買う方が良いと思います。

という事で今日はバーベルのゴリ押し回でした。

今度、もう少しわかりやすいように、動画でバーベル特集でも作ってみようかと思います。

それではまた。

PS:

Wバーの動画、実際に作ってみました。

自宅で手軽にバーベル運動「Wバー特集」です。

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コメント

    • ありんこ
    • 2015.05.20 9:10pm

    非常にためになりました。
    一つお伺いしたいのですが、私はデッドリフト・ベンチプレスをメインに筋トレしているのですが、それでもおすすめはWバーでしょうか?
    Wバーの場合、デッドリフトなどがしづらいような気がするので、120cmの直線のものを購入しようか迷っているのですが。。。

    • バスケ好男
    • 2015.04.13 12:43am

    それとあばらの付け根まで胸筋が届かないんですがどうすればいいですか?

    • バスケ好男
    • 2015.04.13 12:36am

    部活で体づくりの一環にベンチプレスをするのですが8割の重さで10回出来るか出来ないか位が筋トレにちょうど良いと聞いたのですが力を出し切るため最後に自力で上げられなくなります。その為部活では必ず3人1組でしています。もし、家でするならばどうすれば良いですか?

    • ヒロ
    • 2014.03.04 5:30pm

    僕も自宅でトレーニングを行っています。
    ご指摘の通り、バーベルは場所をとったり、
    それ専用のベンチが必要だったりするのか
    と思って、敬遠していました。
    お陰さまで、バーベルへの敷居が下がりました。
    購入したいと思います。

    • 木村竜一
    • 2014.03.03 4:40pm

    半年位、ダンベルを使って自宅でトレーニングしていたのですが、仰る通り扱う重量やトレーニング時間に正直限界を感じておりましたので、今回の記事は自分に向けたメッセージだと勝手に解釈してしまいました。
    早速、WバーのバーベルをAmazonで探してみたいと思います。
    貴重な情報ありがとうございます!

黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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