巡り巡って自重

運動

確かにフリーウェイトも良いのですが、何だかんだで自重に落ち着くのかなと感じています。

前からブログを見ている方はわかる通り、僕は以前「バーベルのススメ」「ダンベルのススメ」などの記事を書いた事があります。

一番最初の記事でも筋トレは自重だけでは無く、フリーウェイトも取り入れた方が良い旨の事を書きました。

しかし、結局は自重になってくると思っています。

ただ単に体を大きくしたいなら話は別ですが、健康的で実用的な体も維持していくのであれば、最終的には自重メインになるのを実感しています。

勘違いしないで欲しいのですが、バーベルやダンベルは必要無いと言っているわけではありません。

むしろ、それらが大事な時もあります。

と言うか、必要な時期があります。

どういう事かと言うと、僕は筋トレを5つのステージに分けて考えているからです。

  1. 超初心者→自重
  2. 初心者→ダンベル
  3. 初~中級者→バーベル
  4. 中級者→ダンベル
  5. 中~上級者→自重

見てわかる通り、最初に自重から始まって、最後にまた自重で終わっています。

しかし、その間にはダンベルとバーベルを使う時期があります。

以前書いた「バーベルのススメ」は3、「ダンベルのススメ」は4に相当します。

バーベルの前にも2のダンベルがありますが、この辺りはフリーウェイトを使うべき時期だと考えています。

ですが、最終的には自重に戻ります。

ダンベルやバーベルを踏まえて乗り越え、自重に帰ってくるのです。

今日はこの流れを話したいと思っています。

自重、ダンベル、バーベルの僕が考える適切な時期、そして最終的に自重に落ち着く経緯についてです。

怪我のリスクを最小限に抑えながら出来る適切な肉体作りのステップと思っているので、良かったら参考にしてみて下さい。

1.超初心者→自重

最初はやはり簡単な自重からが始めるのが良いと思います。

腕立て伏せ、シットアップ、スクワットなどです。

腕立て シットアップ停止緊張 ヒンズースクワット停止

これらは道具も必要無ければスペースもほとんど要りません。

自体重を扱うので不自然な負荷もかからず、怪我のリスクも最小です。

負荷は小さめですが、運動不足の方にとってはこういう筋トレだけでメキメキ発達していきます。

手軽に簡単に始める事が出来る点で、まずはここからスタートして様子を見て行くのが良いと思います。

ただ、先程言ったようにこのレベルの筋トレは負荷が小さいので、比較的早い段階で成長がストップしてしまいます。

すると、もう少しレベルを上げたくなってくるのですが、このまま自重で行こうとすると急に難易度が上がります。

つまり、懸垂、ディップス、片脚スクワットなどになるからです。

懸垂 ディップス 片足スクワット

人によっては1回も出来なくなったりするので、効果的に鍛える事が難しくなります。

自重は怪我も少なく経済的で素晴らしいのですが、負荷レベルが「低」と「高」で二極化しやすく、中間レベルが余り無いデメリットがあるのです。

そこで、中間レベルを補強すべく、次の段階へ進む事が勧められます。

2.初心者→ダンベル

ここでダンベルが登場します。

ダンベルは重さを調節できるため、自重には無かった中間負荷でのトレーニングが可能です。

種目で言えばダンベルプレス、ローイング、ランジ、ショルダープレス、アームカール、キックバックなど。

ダンベルベンチプレス ダンベルローイングストレッチ ランジ

ショルダープレス アームカール キックバック

ダンベルは経済的負担も小さ目で、スペースもそこまで取りません。

そう言えば、一人暮らしをしている男性でほぼ100%持っている物がダンベルだそうです。

こういう事実からも、ダンベルは比較的準備しやすいものだと思いますので、超初心者の自重に慣れたら、スムーズにこちらへ移っていけると良いと思います。

しかし、この段階でのダンベルにはデメリットがあります。

最も顕著なのは、左右で扱う重量が異なってしまう事があり、筋力のバランスが崩れやすくなる事です。

これはセミナーでも話した事がありますが、左右で体の対称性が崩れるのは思っているより危険です。

また、初心者の内は高重量のプレートを揃える事にも抵抗を持ちやすく、結局は負荷が足りなくなって来るというデメリットも抱えます。

これらの問題を払拭して肉体改造を前進させるには、次のステージへと進まねばなりません。

3.初~中級者→バーベル

いよいよバーベルを使い始めます。

種目はベンチプレス、デッドリフト、バーベルスクワット、バーベルローイング、ショルダープレス、アームカールなど。

ベンチプレス デッドリフト スクワット

バーベルローイング バーベルショルダープレス バーベルアームカール

バーベルはダンベルと違って両手で1つのバーを操作します。

従って、先程問題として挙げた筋力のバランスが崩れるリスクが減ります。

また、バーベルは必然的に重量が上がります。

ここまで解消されて来なかった「負荷が足りない」という根本的問題は、バーベルを扱う事で完全に払拭されます。

更に、バーベル運動はダイナミックな動作が多く、単純に楽しくてモチベーションが上がります。

出来る種目も圧倒的に増えるため、慣れや停滞も防げて成長が促進されます。

ダンベルよりもかさばるという問題はありますが、それを補うって余りあるメリットがあるのです。

但し、ここでも問題が起こります。

怪我のリスクが劇的に高まる事です。

特にBIG3で自分の体重位の重量を扱える位になると、肩、腰、膝、肘などを痛めやすくなります。

実際、ボディビルダーやパワーリフターは怪我や故障で悩む方が非常に多いです。

それを踏まえて僕自身は、バーベル運動では「基本は自体重まで、やっても自体重×1.5倍まで」位が適切では無いかと考えています。

このルールで行っている内は、大きな怪我はし辛いです。

しかし、これ以上の負荷を扱うと急に怪我が増えて、将来的な健康性や実用性を阻害しうる気がするので、個人的には控えていきたいと思うのです。

では、その制限がある状態で引き続き体を成長させるにはどうしたら良いか?と言うと、ここでまたダンベルに帰ってきます。

4.中級者→ダンベル

高重量による怪我のリスクを減らすには、単純に重量を下げれば良いだけです。

そのためには、再びダンベルに戻って左右別々で筋トレをしていきます。

単純に考えて片手で行う筋トレの重量は、両手で扱う重量の半分に出来るからです。

種目としては両腕を同時に動かすものでは無く、ワンハンドで追い込むタイプのものになります。

例えば、ダンベルローイング、ショルダープレス、アームカールなど。

ダンベルローイングストレッチ ワンハンドショルダープレス ワンハンドアームカール

バーベルより扱う重量が下がっても、片方ずつ丁寧に追い込めるので、結果として筋肉も成長していきます。

また、ダンベルはバーベルと違って、部分にフォーカスして鍛える事も出来ます。

代表的なのは胸のフライです。

フライ
ベンチプレスでは肩や三頭筋も含まれるのでどうしても高重量を扱う事になってしまいます。

しかし、胸のみに集中したフライであれば、低重量で十分な負荷を与える事が出来ます。

但し、こうした部分的な筋トレには弊害もあります。

以前から言っている通りなのですが、特定の筋肉のみを動かす運動は体の全体性が失われやすいからです。

筋肉の連動性が切り離されてしまうため、全体として発揮できる力が弱まる可能性があります。

また、左右別々で行うために筋力のバランスが崩れる問題も依然として残ります。

こうしたデメリットを解消するために、巡り巡って最後は自重に帰ってきます。

5.中~上級者→自重

ここまでのプロセスを経ているのであれば、難易度の高い自重もこなせるようになっています。

最初は難しかった懸垂、ディップス、片脚スクワットなども適切な負荷になっているはずです。

自重は体全体を同時に動かす運動が多いので、実用性が失われる心配はほぼ無いと考えています。

種目によっては左右分けて行うものもあるのでダンベル同様の問題が発生する事もありますが、それでもそのリスクは圧倒的に減るはずです。

そして、何より僕が重要だと思っているのは、自重は体がフリーになるという事です。

例えば、懸垂などのぶら下がり系の運動では腰周りが重力や抗力から完全に自由になっているので、腰痛を起こす事が皆無です。

デッドリフトやローイング系の種目では腰への負担が強く、どうしても腰痛と隣り合わせになってしまうのですが、自重ではその心配が完全に消えるのです。

ディップスなども肩甲骨周りが自由に動かせるので、肩関節を固めてしまうような事がありません。

ベンチプレスやフライなど寝て行う種目では肩周りが圧迫されて柔軟性が低下する事がありますが、自重ではそういう心配も無くなるのです。

「でも、結局、負荷が足りなくなるのでは?」

こう思われる方もいると思いますが、自重は奥深く、工夫次第でいくらでも負荷を高める事が出来ます。

例えば、ディップスはプッシュする瞬間に手を放して、ちょっとジャンプするだけで簡単に負荷を高める事が出来ます。

懸垂も片側ずつせり上がるスタイルにするだけで、十分負荷を高めていく事が出来ます。

懸垂片側

少し難しいですが、倒立腕立てが出来れば、高重量のショルダープレス並みに効きます。

他にも工夫は無限大にあって負荷はどうにでもコントロール出来るのです。

勿論、負荷を高めれば怪我のリスクは増えますが、フリーウェイトに比べればずっと安全である事は間違いないと思っています。

以上、これが僕が考える筋トレの流れであって、最終的に自重に落ち着く理由です。

ただ、今回サラッと言いましたが、最終的に自重で鍛えていく過程に至るのはそんなに簡単ではありません。

まず、1~4のステップを経る前に挫折してしまう人が大半でしょう。

また、3のバーベルのところでウェイトの魅力にハマってそこから出て来れなくなる人もたくさんいます。

この流れには肉体的にも精神的にもハードルがあり、頭で考えているよりもずっと難しい気がしています。

とは言え、長期的な健康性や実用性を保ちつつ体を鍛えていくには非常に重要だと感じていたので、今回お話させて頂きました。

賛否両論あるところだとも思いますが、1つの参考にしてもらえたらと思います。

PS:

5の自重ステージまで行けば公園だけで全身を鍛え上げる事も出来ます。

遊具だから出来るダイナミックな筋トレのような感じです。

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コメント

    • 魔女のナベおばちゃん
    • 2016.07.20 2:57pm

    こんにちは(*^_^*)。

    Tokyo仙人ジム会長さんの筋トレには、

    着地点がしっかりあり、

    流れの中でそれぞれのステージをこなしていくのですね・・・

    トレーニングは厳しさもあるようですが、
    管理されたしっかりしたメニューがあるので凄いですね・・・。

    この筋トレに脱帽ですm(_ _)m

    • がーすー
    • 2016.07.15 6:15pm

    なるほど…
    いつもありがとうございます!
    一生、ついていきやす!!

    • 大黒屋
    • 2016.07.15 11:11am

    釣りでも「フナに始まりフナに終わる」と言うらしく、同じ様なことを聞いたことがあります

黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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