腰痛の真の原因

生活

グキッ!

僕がまだ会社員をしていた頃の話。

朝、目覚ましに起こされて、まだ疲れの抜けない体を起こそうとした時、腰に変な音がしたと思ったら、今まで味わった事が無い強烈な痛みが走りました。

「かっ、は…」

余りの痛みに言葉が出ず、そのまま倒れ込みました。

「これは一体?」

もう1度、体を起こそうとしてみますが、腰に激痛が走って起き上がる事ができません。

お腹周りにちょっとでも力を込めると、泣きそうな程の痛みが襲ってきます。

「もしや、これが噂のギックリ腰?」そんな不安がよぎりながらも、「とにかく会社に行かねば」という思いで何とか起き上がろうと試みます。

一人暮らしなので助けてくれる人はいません。

周りの家具にしがみ付きながら這い上がります。

数十分の格闘の末、何とか立てたのですが、どうも自分の態勢がおかしい。

上体が右側に傾いて、真っ直ぐ立てないのです。

無理矢理左側に戻そうとするとやはり激痛が走ります。

鏡で確認すると、やっぱり腰から上の上半身が完全に右側に折れ曲がっていました。

「これはいかん、ともかく病院だ!」という事で早速会社に遅刻の連絡を入れ、整形外科へと足を運びました。

それにしても余りの痛みに歩く事もままなりません。

家から徒歩15分位の病院に行くのに1時間以上かかりました。

まるで亀です。

病院に着くとお年寄りがいっぱい。

「日本は一体どうなっとるんだ?」

この時の僕はまだ健康に目覚めていませんでしたが、朝から患者で溢れかえる病院に妙な違和感を覚えつつ、名前が呼ばれるのを待ちました。

それにしても椅子に座っているだけで痛い。

待ち時間という地獄に耐え忍ぶ事90分、ようやく僕の番が回って来ました。

この頃は被曝の恐ろしさも知らなかったので、抵抗無くレントゲンを受け入れて検査です。

結果はと言うと、よくわからない…

「ヘルニアの可能性があるのかも…」「大病院で見てもらうのが良いかも…」などと言われ、違う病院の紹介状を貰い、軽いマッサージを受けて帰されました。

本当はここで家に帰りたいところですが、仕事が忙しいので会社に直行。

電車の揺れにすら腰が耐えられず、何度も途中下車しながらようやく会社に到着です。

腰痛と戦いながら深夜近くまで残業をし、何とかかんとか1日が終わります。

そして、次の日に目覚めればまた腰が痛く、こんな生活を何日も繰り返しました。

何ヶ月かする内に、激しい痛みは少し和らいで普通に生活できる位までにはなったのですが、腰に違和感は残ったまま。

落ちた物を拾う時など、腰を大きく動かすとピキッとした痛みがぶり返します。

運動不足が原因かと考えて筋トレを始めるも、腹筋運動などするとやはり腰痛が再燃。

こんな状態が慢性的に続くのでした。

本当しんどい…

えー、長い前フリになってしまいましたが、最初に言った通り、これは僕の実話です。

数年前まで本当に酷い腰痛に悩まされていました。

今でこそ回復しましたが、本当に辛かったのを覚えています。

特に筋トレの時に痛みが発生するのがもどかしく、鍛えたくても鍛えられない自分の体にストレスを感じていたのを覚えています。

そして、世の中には同じような状況に陥っている人が結構いるようです。

僕と同じように腰に爆弾を抱えてしまい、日常生活が苦になり、筋トレも気持ち良くできない、そんな悩みを持つ方達が少なくありません。

実際に僕の友人にもいますし、メルマガの読者からもそういう声が寄せられたりします。

そこで、今回は僕が考える腰痛の解消方法をお伝えしたいと思っています。

実際に腰痛に悩まされた僕が色々な方法を試し、本当に効果を感じられたもの、そして友人達にも試してもらって再現性まで感じられたものをお伝えします。

現在、腰痛に悩まされていたり、腰に違和感があると感じている方には、有益な情報になるかと思いますので、良かったら見てみて下さい。

腰痛が起こる仕組み

さて、最初に結論を言ってしまいますが、腰痛の主な原因は「大腰筋の硬直化」です。

大腰筋は以前も「達人の筋肉」として紹介しましたが、インナーマッスルの1つで脊椎の中心にある腰椎と脚部の大腿骨を跨ぐ筋肉です。

大腰筋※「筋肉の基本と仕組み」抜粋

この大腰筋が硬直化して柔軟性を失うと、腰周りの可動域が極端に制限されるようになります。

そして、動きが制限されているところを無理矢理動かそうとする事で、腰に痛みが起こります。

一応「筋性腰痛症」という呼び名があるようですが、これが腰痛で一番多いパターンと言われています。

イメージが湧かなければ前屈を想像して下さい。

前屈

前屈では腿裏のハムストリングという筋肉群が伸びるのですが、ここの筋肉が硬い人が無理矢理やろうとすると痛みが生じます。

柔らかい人だと地面に手がベタッと着きますが、硬い人は腿裏が痛くて指先すら触れられないと思います。

この状態が極端に起こっているのが筋性腰痛症です。

大腰筋がガチガチに固まってしまって可動範囲が狭くなってしまった結果、腰のちょっとした動きで痛みが発生するのです。

ここでまず考えなければいけないのは、どうしてこうなった?という事です。

よく腰痛を起こすとマッサージや整体に行って何とかしてもらおうとする人が多いですが、何故そうなったのかという根本的原因を抑えないからいつまでも治りません。

癌をチョキンと切って治した気になっても食生活を改善しなければ再発してしまうのと同じで、真の原因を特定して改善しない限り、本当の意味での治療にはなりません。

ですからまずは何故、大腰筋が硬直してしまったか?という事を抑えておく必要があります。

ではその答えは何か?

ありきたりとバカにしないで欲しいのですが、やはり日常の姿勢の問題だと思っています。

大腰筋を収縮させたままの姿勢を取る事で筋肉が縮んだまま固まってしまったのです。

代表的なのが猫背です。

大腰筋というのは腹筋と同じく体を折りたたむ時に使われる筋肉です。

体の折り畳み

体を丸める時、大腰筋は収縮します。

これが少しの間であれば問題無いのですが、猫背みたいに長時間持続されてしまうと、縮んだまま固まってしまうのです。

現代、先進国はデスクワークを中心に体が前のめりになりやすい環境が整っています。

そのため、どうしても猫背になりやすく、大腰筋が固まりやすい状況です。

神経に楽をさせない

これに対して僕は声を大にして言いたい事があります。

それは、「神経に楽をさせるな、筋肉に楽をさせろ」という事です。

猫背を始め、偏った姿勢というのは神経的には凄く楽です。

体を前のめりに丸めて固定すれば、バランスを取る必要が無くなるため、神経は休息できます。

しかし、筋肉的には物凄い負荷がかかっています。

大腰筋は体を丸める時に使われると言いましたが、それを維持するという事は大腰筋が休憩無しで使い続けられていると言う事です。

例えるなら、空気椅子です。

空気椅子

空気椅子はお尻や大腿部の筋肉を硬直させて、その場で我慢するような姿勢を取りますが、凄く筋肉に負荷がかかるのはわかりますよね?

猫背はこれと同じ事なのです。

体を丸めて固定してしまうという事は、大腰筋を使いっぱなしの状態にして、空気椅子さながらに酷使しているのです。

それは腰を痛めますよ。

この問題は猫背だけではありません。

例えば立つという状態においても、現代人の多くは左右どちらかの脚に体重を乗せたがります。

偏った起立

そうすればバランスを取るために神経を使う必要が無くなるため、休憩している感じが得られるからです。

しかし、実は体重を乗せられた方の脚は尋常ではない位の負担がかかっています。

そのため脚の筋肉が外側に収縮したまま固まり、O脚が発生してしまったりするわけです。

僕が腰痛を起こした時に体が右側に倒れてしまったのも、やはり写真のように体重を右脚に預けてしまっていたためです。

これら姿勢の問題は全て「神経に楽をさせる」という発想から来ていて、僕はこれこそが腰痛の真の原因と思っています。

厳密に言えば、バランスを取る事を怠けたいという思考です。

しかし、怠けるという事はそれ相応の報いがあって、筋肉に大きな負担を強いて硬直化を招く事になり、それが結果として腰痛などに繋がっていくわけです。

ですから、僕は言いたいのです。

「神経に楽をさせるな、筋肉に楽をさせろ」

バランスを取る事を怠けるなという事です。

座っている時も、立っている時も、しゃがむ時も、常に背筋を伸ばして真っ直ぐに起立する事です。

真っ直ぐ立つという事は体があらゆる方向に移動できる状態なので、安定性に欠けています。

前後左右に体重が微妙にブレ続けるので、そのブレを常に正しく矯正していなければなりません。

そこには神経を使うでしょう。

バランスを取るために神経は疲れると思います。

しかし、筋肉さんは楽できます。

常に力を緩めた状態を維持できるので、固まってしまうような事態が起きません。

その結果、腰痛も起こらないし、脚が変形してしまうような事にもならないのです。

この「神経に楽をさせるな」という考え、実は食事にも当てはまります。

食事の場合は、「神経に楽をさせるな、内臓に楽をさせろ」という事です。

もうわかると思いますが、現代人は美味しい物を優先して体に悪いものを食べたがります。

甘いもの、脂っこいもの、味付けの濃いもの、確かに美味しいです。

神経は快感を得られるでしょう。

しかし、内臓は疲弊します。

消化活動に追われた胃腸は変形し、解毒作用に追われた肝臓は硬くなっていきます。

それが進んでいけばいずれ胃癌や大腸癌、肝硬変などを起こして死に直結していきます。

ですから、この「神経に楽をさせない」という考え、あらゆる面において非常に重要な事だと自覚しておいて欲しいと思います。

では何故、現代人は神経に楽をさせたがるのか?と言うと、そこには現代的ストレスが大きく影響していると思っていますが、それを話し出すと余りにも脱線し過ぎるので今回は割愛します。

とにかく最初に理解して欲しいのは、腰痛を治したければ毎日の姿勢を意識して改善しなければいけないという事です。

腰痛治療のためにどれだけマッサージを受けようが、整体に通おうが、カイロプラクティックを受けようが、普段の姿勢が悪ければ元の木阿弥です。

体を揉んでもらったその瞬間だけは治った感じがしても、すぐに戻って何度も何度も足を運ぶハメになり、結局いつまでも治らないという事になってしまうのです。

まずは姿勢を正すがの第一です。

そして、それができているのが前提の上で、僕が考えている腰痛改善のエクササイズがあります。

そのエクササイズもお伝えしたいと思いますが、それはビデオの方がわかりやすいと思うので、また次回動画記事としてアップしてみようかと思います。

ともかくまずは姿勢を正す事を始めてみて下さい。

それが全ての基本です。

それではまた。

PS:

腰痛を改善するエクササイズという動画を作ったので、良かったらこちらも見てみて下さい。

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コメント

    • フクイレン
    • 2014.05.19 9:13am

    つい先日、筋トレ中に腰を痛めてしまったので
    非常にタイムリーで役に立つ記事でした。
    ありがとうございます!
    もともとヨガの経験が少しあったので
    今回は硬直してしまった腰を
    あらゆる角度に少しずつ
    無理のない範囲でストレッチしたら
    ほぼ完治しました。
    日常の姿勢に気を付けると共に
    毎日30分以上はヨガなどの
    自力整体的な体のケアに
    時間を投資することに決めた次第です。
    エクササイズ動画を楽しみにしています!

黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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