ED…それは男性を最も悩ませる問題の1つ。
正式名称はErectile Dysfunction。
旧名はインポテンツ。
日本語では勃起不全。
酷い言い方すると不能。
性的な悩みは表に出づらいので知らない人も多いですが、驚く事なかれ、何と世界的に10人に1人がこの悩みを抱えています。
中折れ、硬度不足など、表現は色々ありますが、軽度なものから重度のものまで合わせると、全世界の成人男性の1割はEDなのです。
僕のコンサルでもこの手の相談は多く、たくさんの人が悩んでいる事がわかります。
マーケットも巨大です。
女性で言うところのダイエット市場並みで、毎年数千億円が動く産業になっています。
多くの人間がEDに関わって生きているのです。
そんな世界的大規模なED問題ですが、原因には大きく2つのタイプあります。
物理的な体の故障による器質性と、精神的な問題から来る心因性です。
この内、器質性の方はザックリ言えば不健康である事が原因なので、普段から健康に気を付ける事で自然と治ると思います。
問題は後者の心因性です。
要は心の問題なのですが、トラウマがあったり、失敗するのが怖かったりで、EDが発症します。
初めての相手、初めての場所で上手くいかない、こういうのも心因性EDの仲間と言えます。
この問題がなかなか複雑で難しいのですが、今日はその心因性EDの解決を「ズービキティ」と言う観点から考えてみたいと思います。
ズービキティとは汎動物学と言って、ヒトと動物を一緒に見る学問です。
もう少し言えば、医学と獣医学を融合させ、動物からヒントを得てヒトの問題を解決したり、その逆を行ったりします。
あらゆる動物を並列に見るという点において、僕は大きな可能性があると注目しているのですが、今回はその視点からED克服法を探っていきます。
EDを患っていたり、その傾向を感じる人は自分の事と思って聞いてみて下さい。
今は全くもって問題は無いという人も動物学からのアプローチという点で勉強のつもりで見てみて下さい。
きっと新たな発見があると思います。
尚、今回は扱うテーマ上、どうしてもアダルトワードが多く出て来ますので、その点はご了承下さいませ。
勃起の歴史
さて、心因性のEDを考える上で最初に知っておいて欲しいのは逆の心因性勃起についてです。
動物の勃起には物理的な刺激による反射性勃起と、精神的な刺激による心因性勃起の2種類があります。
反射性勃起とは意識に関係無く、接触刺激により自動で起こる勃起です。
いじったら勝手に勃つのはこのパターンです。
一方の心因性勃起は5感の刺激などで、脳を経由して起こる勃起です。
本やビデオなどの性的描写を見て勃つのはこのパターンです。
この内、進化上、動物界で最初に採用されていたのは反射性勃起です。
フジツボなど古い動物にも見られますが、これは挿入や精子送出に非常に効果的で、動物の雄はほぼ全て備えています。
しかし、このシステムには問題があります。
好機が訪れた時に瞬間的に勃起させたり、敵から襲われた時に瞬間的に委縮させるという機能が無いのです。
反射性は文字通り「反射」ですので、意図的にコントロール出来ません。
状況に応じて柔軟に硬度を変更する事が出来ないという弱点があったのです。
そこで、動物は脳から勃起をコントロールできるように進化していきます。
視覚情報や聴覚情報を使って、脳経由での勃起を可能にしていきました。
また、感覚神経を使わずとも、脳をダイレクトに使う「想像」によっても勃起が出来るようになりました。
脊髄を通して脳からペニスに指令を出す心因性の勃起が出来上がったのです。
この時、それと対をなす形で心因性の萎縮機能も備わります。
人間界ではピンと来ないかもしれませんが、動物界では交尾中はいつ捕食者に襲われるかわからない危険と隣り合わせです。
雄の脳が察知した時、勃起を速やかに中断するシステムは極めて重要であったため、心因性の萎縮機能も生まれたのです。
もうわかると思いますが、この心因性の萎縮こそが、現代の心因性EDの原形です。
脳を使ってペニスを萎えさせる防御機構が心の問題でペニスが萎えるEDに繋がっています。
生命維持のために重要なメカニズムが間違った方向に働いてしまって本末転倒になっているの心因性のEDです。
まずはこの事実を知っておいて下さい。
進化的、歴史的な背景を知っておかないと間違ったアプローチに繋がりやすいので、こういう事を抑えておくのは重要です。
動物に見られるED
ではここまでを踏まえた上で、実際に動物に起こる心因性EDを確認しておきたいと思います。
実は動物界でもEDは見られます。
ヒトの世界程、顕著にあるわけでは無いですが、ケースによっては動物の雄もEDを起こします。
例えばワオキツネザルです。
ワオキツネザルは1年に1回しか交尾しない動物です。
雌が特別な時期に8時間~24時間しか発情しないので、雄にとってはこの短い期間しかチャンスがありません。
そのため、雄同士は死に物狂いで競争をするのですが、この時に心因性のEDが起こる事があります。
これは実際に観測された話ですが、雄同士の乱闘の中、ある地位の低い雄が何とか交尾にこぎつけた時、緊張からキョロキョロして交尾をし損なったのです。
社会的ストレスやライバル同士の競り合いから、警戒心や恐怖心が脳にインプットされてしまい、インサートに失敗したという事です。
これは正にヒトのEDと似ていますよね。
恐怖と不安が勃起を邪魔しています。
脳が危険を察知した事から心因性の萎縮システムが働いてしまい、性交のチャンスが失われてしまったのです。
ですから、心因性EDの解決法としてはよくリラックスが重要と言われます。
生理学的に見ても、勃起メカニズムの最初のステップはリラックスです。
リラックスして副交感神経が優位になる事で、ペニスの血管と筋肉が弛緩して血液が流れ込み、内圧が高まって硬度が上がっていきます。
リラックスしなければ何も始まりません。
とは言え「リラックスしましょう」で片づけてしまうと、ありきたりな話で終わって非常につまらないですよね。
どこでも聞ける話をしても意味がありませんので、ここではもう一歩踏み込み、ズービキティの観点だからこそ見えてくるEDの実態に迫りたいと思います。
人間社会におけるED
先程、心因性の萎縮という機能は、敵からの襲撃に備えて培われたものだと言いました。
勃起の中断は命を救う最良の手段です。
これと並列して知って欲しい事があるのですが、それは動物にとって最大の脅威は捕食者ではなく、同じ群れの仲間であるという事です。
動物の雄の場合、社会的威嚇が勃起を妨げる事がわかっています。
例えば、羊であればボスの雄羊がいるだけで、下位の雄羊の性的能力は落ちていきます。
鹿などのランク付けがある群れにおいても、地位が低い独身の雄はセックスの機会がなく、その延長で勃起能力すら失ってしまうのです。
これは身分が低い雄が厳しい自然界を生き抜くために発達させた進化です。
ボスに逆らって雌と交尾しようとすれば、そのボスの報復を受けて重大な怪我を負ってしまうかもしれません。
そんな事にならないよう、動物界で下位の雄は敢えて勃起能力を封じるようになったのです。
ここで考えて欲しいのですが、もしこの機能が人間にも備わっているとしたらどうでしょう?
ヒトは他の動物達から進化していますから、その機能が受け継がれていると考えても全く不思議ではありません。
つまり、社会的地位が低いという事自体が、EDに繋がっているのではないか?という事です。
これはかなり恐ろしい事だと思います。
例えば、あなたが会社に勤めていて、毎日上司からガミガミ説教をされているとします。
すると、あなたの脳は自分の地位が低い事を認識し、強い者には逆らわないようにと、勃起能力を封じてしまうかもしれないのです。
普段から怒られたり、叱られる事が多い人は危険かと思います。
こき使われたり、頭を下げる事が多い仕事をしている人も危ないと思います。
周囲と比べて明らかに役職や収入が低いのも問題になってくるかもしれません。
そういう事実が繰り返し自覚されると、端的には言えば自信を無くします。
自信を無くすと自分を下に見積もりますから、社会的地位が低いと認めるようになり、その結果、勃起能力が妨げられていくのです。
これがズービキティから見えてくる心因性EDの根本的な原因です。
トラウマや失敗への恐れでは無く、自分の身を守るために積極的に行う勃起不全があるのです。
今日から始められるED克服法
ではその問題を解決するにはどうすれば良いか?
自信を失っているのが原因なので、自信を付ければいいわけですが、個人的に最も早いのは筋トレだと思います。
勿論、会社を作って社長になるという方法もあると思いますが、それは難易度が高いでしょう。
スポーツや格闘技の大会に出て優勝したり、資格を取得するのも有りかと思いますが、今すぐ出来る事では無いと思います。
男性なら女性を口説くのも自信回復になりそうですが、それも身勝手にやるような事ではありません。
1人で、簡単に、今すぐ始められる自信回復法は筋トレしか無いと思います。
筋トレをすると、大きく2つの自信がつきます。
1つは体が大きくなる事で物理的に強くなる直接的な自信です。
もう1つは肉体改造という目標達成で得られる間接的な自信です。
この2つの自信を付ける事により、自分を上位の人間と位置付けしやすくなり、結果、勃起能力が回復する可能性があります。
更に、筋トレは最終的に男性ホルモンを高めるので、その方向からもED改善効果があると思います。
筋トレはED克服に大きな可能性を秘めていると思うので、これを見ている男性方は積極的に取り組んでもらえたらと思う次第なのです。
という事で長々と説明して来ましたが、結論は何のことはない「筋トレしましょう」という事でした。
動物から学ぶED克服法、参考になれば幸いです。
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