今の世の中、これでもかと言う位、ビタミンが幅を利かせていると思います。
我々はビタミンが不足していると言われます。
そして、とにかくビタミンを摂れと言われます。
野菜や果物を食べようという健康法もビタミンが豊富だからと書かれています。
健康的なサプリメントのパッケージにもビタミンが入っていると書かれています。
巷の健康法には必ずビタミンが出て来ます。
あっちもビタミン、こっちもビタミン、ビタミンだらけだと思います。
ここでふと疑問に思って欲しいのですが、本当にそんなにビタミンが必要なのでしょうか?
僕達にはビタミンがそこまで劇的に不足していて、積極的に摂らなければいけないのでしょうか?
と言うのも、一般的に体に良いとされる牛乳は今や健康効果が薄い事がわかってきました。
逆に悪の代表格とされる大麻や煙草は、言う程、悪いものでは無かった事を以前の記事でお伝えしました。
ここまで世界が間違えて進んでいると、ビタミンもそんなに必要では無いのではないか?という疑問が浮かんでもおかしくないと思うのです。
「あなたは何もかも疑い過ぎる」なんて言われてしまうかもしれませんが、世の中は思った以上にズレています。
西洋の医学や栄養学を筆頭に破滅的な健康法が蔓延している事は、これまで何度も言った通りです。
そうなると、これだけもてはやされているビタミンにも懐疑の目を向けたくなるのです。
本当にビタミンは不足するのか?
そこまでビタミンは必要なものなのか?
僕も全てを把握できているわけですが、概ね自分なりに全体像が見えてきたので、今回はこのビタミン神話に迫ろうと思います。
健康系のブログがたくさんあるにも関わらず、ここに踏み込んでいる人は余り見かけませんので、良かったら読んでみて下さい。
現代社会とビタミン
まず、結論から言ってしまうと、現代ではビタミン不足は起こりません。
それ故に、そこまで気にして摂る必要は無いと思っています。
誤解の無いように言っておきますが、勿論、場合によっては不足も考えられます。
しかし、マスコミや健康商法が報じる程、足りなくなる事は無いと思います。
かなり不摂生な食生活をしていたとしても、不足する事は恐らく無いでしょう。
現代人にビタミンが足りている事の証拠として、ビタミン不足から生じる病の減少があります。
例えば、壊血病。
これは古代から人類に広く認められていた難病で、海の紫斑病と言われ、船乗りがかかりやすい病気です。
気力体力が衰え、内出血を起こして貧血症になり、歯茎が壊死して歯が抜けて食べれなくなるので、長引くと死にます。
原因はビタミンC不足です。
1800年代付近、ビタミン発見ブームの時にアルバート・セント・ジェルジによって謎が解明されました。
そして、この病気、今では余り聞きません。
自分の周囲で壊血病になっている人って見かけないですよね。
そもそも壊血病という言葉を知らなかったという人の方が多いと思っていますが、それ位、減少しているのです。
他にも、脚気。
これは米を主食とする民族特有の疾患で、日本では古くからある病気でした。
倦怠感、食欲不振、感覚麻痺、運動障害、循環器障害が起こり、最後は呼吸不全になって死にます。
原因はビタミンB1不足です。
明治時代、高木兼寛という医者により、白米が原因である事が特定されて治療が明確になりました。
この病気も今は余り見かけません。
医者が「これは脚気ですね」と言う場面に遭遇した人は滅多にいないと思います。
他に、ペラグラ。
20世紀初頭、アメリカ南部の貧しい人々の間に蔓延した病気で、毎年数千人の死者が出ました。
皮膚の紅斑、赤舌、口腔炎など粘膜上皮に炎症を起こし、消化不良、貧血、下痢、精神障害などが起こります。
原因はビタミンB群の1つであるナイアシン不足です。
病気の探偵と言われたジョゼフ・ゴールドバーガーより原因の特定が進んだものです。
この病気に至ってはそもそも日本に少なく、ほとんど問題になっていません。
他に、夜盲症。
暗部の視力が著しく衰え、目がよく見えなくなります。
原因はビタミンA不足です。
栄養学史上最大の巨人と言われるアメリカの化学者エルマー・マッカラムが乳製品や卵黄で防げる事を突き止め、原因が判明しました。
これも日本人の間では余り聞かないと思います。
以上、4つ程ビタミン不足で起こる病気を上げてみましたが、どれも日常では見かける事の少ない病気です。
今完全に消えたわけではありませんが、流行していた当時から比べると圧倒的に少なくなりました。
ビタミンが不足しない理由
では何故、これらの病気が減ったのか?
肉食が増え、野菜嫌いの子どもが増えているこの時代、何故、ビタミン不足の病気が余り発症しないのか?
実は僕自身も子どもの頃は野菜を全くと言って食べない人間だったのですが、壊血病にも脚気にもペラグラにも夜盲症にもなった事はありません。
実は、そこに一役買っているのは食品添加物です。
我々が日常的に手にする食品には必ずと言っていい程、添加物の酸化防止剤が使われています。
そして、その酸化防止剤のメインとなるのが、ビタミンB1、C、E、βカロテンなどです。
「V.C」とか「V.E」と表記される場合もありますが、これはビタミンCとビタミンEの事です。
βカロテンはビタミンAの前駆体なので、要はビタミンAだと思って下さい。
我々はこうした酸化防止剤により無意識の内にビタミンを摂り込んでおり、あらゆるビタミン不足が起こらなくなっていると考えられます。
幸か不幸か添加物の登場により、ビタミン不足は解消されているのです。
「そりゃ凄いや!添加物バンザイ!」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、これはこれで問題があります。
現代の食品添加物に使われているビタミン類は天然の植物から抽出しているものはほとんど無く、化学的に合成されたものです。
そして合成する際に不純物を含む可能性があり、頭痛、顔面紅潮、食欲不振などを起こす事が既にわかっているのです。
ですから、別に喜ばしい事ではない事はわかっておいて下さい。
話を戻しますが、皮肉にも添加物の存在により、我々はビタミン不足に陥る可能性が限りなく無くなったと言えます。
白米食がこれだけ進んでいても脚気にならないのは、添加物で米ぬかのビタミンB1を補っているためです。
柑橘類を食べなくても壊血病にならないのも、添加物でビタミンCをたっぷり入れているからです。
ペラグラも夜盲症も同じです。
つまり、日本社会ではビタミンは不足しません。
巨大なビタミン市場
ここで問題なのは、それにも関わらず、世間は相も変わらずビタミン祭りという事です。
あらゆる健康法にビタミンが利用され、あらゆる食品にビタミンが注入されています。
お米に至ってはビタミンが豊富な米ぬかを取り除いてからビタミンを後入れするという意味不明な事まで行われています。
何故、そうなっているかと言えば、ビタミンが巨大なマーケットだからです。
癌市場と同じで、ビタミン市場も様々な利権が絡んで非常に大きな力を持っています。
食品業界、サプリメント業界、フィットネス業界などとも密接に繋がり、世論なんて簡単に操作できるのです。
そもそも昨今悪評が絶えない食品添加物さえも、その歴史はビタミンが作ったとも言われています。
100年位前の話ですが、ビタミンが発見された事でビタミンをあらゆる食品を注入する事が流行し、それが今の添加物文化を築く事になりました。
牛乳神話もビタミンが作ったと言われています。
牛乳にはビタミンAが入っており、それが子育てを刺激し、発育期の子どもにビタミンAの入った牛乳を飲ませるキャンペーンが熱心に受け入れられました。
今ではカルシウムが前面に押し出されていますが、牛乳もビタミンによって持ち上げられたのです。
そんな業界の努力の甲斐も有って、今ではほとんどの人が無条件でビタミンに反応するようになりました。
誰でもビタミンと言われたらポジティブな感情にスイッチが入るようになっていると思います。
ビタミンの歴史も化学式も何もわからないのに、「ビタミン最高!」となっているのです。
それを利用して、業界の人達も巧みに「ビタミンが入ってますよ」と囁いてきます。
そして、それを受けた大衆の方々が喜んで業界の売上に貢献していくのです。
これに関しては僕も人の事は言えなくて、よく「ビタミンが入っている」と言っています。
今までの記事を見てもらえるとわかると思いますが、食品のメリットを言う時、大抵ビタミンを使っています。
しかし、今や世間はビタミンという言葉を使わないと話を聞いてくれないところまで浸透し切っているため、どうしても使わざるを得ないのです。
とにかく、何が言いたいのかと言うと、ビタミンに盲目的にならないようにという事です。
現代日本ではビタミンは恐らく不足しません。
相当な悪習慣をしない限り不足しないと思います。
ですから、そこまで一生懸命摂取する必要はありません。
むしろ、酸化防止剤のような悪質なビタミン類を積極的に避けていった方が良いと思います。
本当に恐ろしいのはビタミン不足などでは無く、添加物による発癌や、過剰飲食による生活習慣病です。
今の時代に必要なのはマイナスの栄養学です。いかに取り込むかではなく、いかに避けるかです。
どこまで減らしていけるかがキーになると思うので、その点しっかり見極めて生きていって下さい。
という事で今日はこの辺で。
メガビタミンは癌療法になるそうですが
この記事にとても共感しました。
ビタミンに限らず、商業的な健康ブームがマスメディアによって宣伝されています。またサプリメントの摂取は、過剰でなくとも内臓に負担をかけます。水の飲みすぎも危険です。
サプリメントや漢方薬は必要最低限に絞るべきです。質の良い食事を腹7,8分摂り、あとは有害な成分を可能な範囲で避けて、心身のデトックスに努めるべきかと思います。
いつも有益な記事をありがとうございます。
黒羽根様
ビタミン摂取については勉強になりました。
それで1つ質問というか疑問なのですが
貧血は未だによく聞くので造血という観点で
ビタミンB6やB12は不足することもあるのでしょうか?
場合によっては不足することも考えられると書かれていたので
不足する可能性があるビタミンというものがあるのか?
ということが気になって質問しました。
マイナスすることを軸に考えることによって
不足してくる栄養素はないのだろうか?
という疑問もあるので調べてみたいと思いました。