何故、必要以上に食べるのか?

食事

先日、仕事仲間で今まで太った事がない方からこんな質問をされました。

「何で皆ジムでカロリーを消費しようとするのでしょう?」
「消費するなら最初から食べなければよくないですか?」

これは脂肪を落としたいと思っている人にとっては、嫌味な質問に感じてしまうかもしれませんが、この方にとってはとても素朴な疑問だったようです。

余りにも裏表のないストレートな質問なので、一見すると子どもっぽくも感じてしまうかもしれません。

人によってはバカバカしてく思えてしまって、回答する気にもなれないのでは無いかと思います。

しかし、僕はその時、体型や健康の問題を根本的に考える上で、この質問に真摯に向き合う事はとても大切では無いかと思いました。

何事も問題を解決するには素朴な疑問を徹底的に考える事が大事だと思っています。

「そもそも何で?」と悩んでみる事により、本質的な突破口が見えて来ると思うのです。

という事で、今日は頂いたこの質問に対して、僕がどのように考えて回答したのかという事をシェアしたいと思っています。

ダイエットしたい方や、過剰摂取に悩んでいる方などは参考になると思うので良かったら見てみて下さい。

非合理的な食事

それでは最初に質問者側に立って考えてみますが、食べた分を後で無理矢理消費するというのは、確かに良く考えるとおかしな事です。

昨今は欧米のフィットネス文化の浸透に伴って、食べた分を消費する事が正しいとされていますが、生命の在り方を考えると非合理なこと極まりないです。

せっかく摂取した栄養を仕事に変換する事無く、ただ垂れ流すように使うなんてとても勿体ない事をしています。

ハッキリ言って資源の無駄です。

それは、食べ物を捨ててるのと同じ事です。

ランニングマシンに乗ってオニギリ1個分消費した事に喜んでいるのは、オニギリ1個捨てて喜んでいるのと一緒です。

世の中には食べられない人もたくさんいるのに、食べた栄養を意味無く消費していく行為は罰当たりな事と言われても仕方ありません。

しかし、今の日本人は当然のように消費カロリーを高め、食べた分を何とか掻き消そうと必死です。

「基礎代謝を上げよう」というスローガンもこれに付随する考えです。

今や、基礎代謝を上げれば日頃から消費カロリーが上がるので痩せやすい、というのはあらゆるフィットネスの謳い文句になっています。

そして、それが正しい事であり、善であり、真実であるかのように言われていると思います。

しかし、常日頃から消費カロリーを上げるという事は、言い換えれば、資源を無駄使いする環境に悪い体作りをしているとも言えてしまいます。

仕事を何もしない癖に食べる事だけは一人前の厄介なニートに例えられてもおかしくありません。

そう考えると、こうした文化は生命の合理性に欠けており、正しさなどとは程遠い事だと思うのです。

余談ですが、別の仕事仲間が以前、「ジムのマシンに発電機能を付けたらどうか?」と言っていた事がありました。

筋トレやランニングでカロリーだけ消費するのは勿体無いので、せめて電気に変換してあげたらどうかと言うのです。

ランニングマシンで走る毎に電気が溜まり、バーベルを上げ下げする毎に電気が溜まるというのは面白い発想だと思いました。

世界中のトレーニーの運動エネルギーが電気エネルギーに変換されたとしたら、莫大な電力量になると思いますので、それは地球レベルで有意義なはずです。

これは非常に合理的だし、資源を大切にした考えだと思いました。

話が脱線していきそうなのでこの辺で戻しますが、要はこの友人も冒頭の友人と同じ事を言いたいだけです。

「食べた分を無理に消費するとは何て無駄なんだ」

という主張であり、その裏にある課題は、

「何故、必要以上に食べてしまうのか?」

というものです。

2つの食べる理由

それではここからは回答側の立場になって述べてみたいと思います。

まず知っておかなければいけないのは、ヒトが何かを食する背景には理由が2つある事です。

1つは栄養を摂る為。

消費したエネルギーを補ったり、今後消費する予定のエネルギーを確保したりするために食べます。

一般的に考えられている食べる理由であって、生物として合理的な行為と言えます。

合理的ですので、理由がこれだけであるのなら、今回のような疑問は発生しません。

問題なのは、もう1つの食べる理由です。

それはストレス緩和のための摂取です。

生命は何かしらストレスに晒されると、必ず身体的対応を迫られます。

そして、動物の多くはそれを「動く」事によって対処します。

原始的な事で言えば、危険地帯から離れたり、敵を排除するなどの運動を行います。

そうした運動行為を取る事によって、脳はストレスの対応を開始したと判断し、身体への嫌な圧力を緩和し始めます。

この仕組みによって動物はストレスに潰される事無く、健康的に生活する事が出来ています。

しかし、ヒトの場合は少し違います。

ヒトのストレスは動く事で対応出来ないものが多々あります。

いじめや疎外感など社会的ストレスは正にその典型です。

例えば、会社の上司にいびられているとして、そのストレスを排除するために殴り倒してしまったら、その会社にはいられなくなるかもしれません。

そのため、目の前のストレスに対応する事が出来ず、ストレスは発散されないまま溜まっていきます。

しかも、現代のデスクワーク中心の生活はそもそも動く事が制限されているので、ストレスは加速度的に蓄積されます。

そうなると、脳は何をするか?

ストレスを緩和するために報酬を受け取ろうとします。

ここではザックリとした説明に抑えますが、脳には「報酬系」と呼ばれる部分があって、そこを刺激する事でストレスを緩和できるのです。

報酬の内容は様々ですが、それこそ酒や煙草もそうですし、ギャンブル、テレビゲーム、性行動なども含まれますし、分かり辛いところではリストカットなどの自傷行為も入ります。

そして、食事も報酬の1つです。

特に甘いものです。

甘いもの、いわゆる糖質は食事の中で最も報酬系を刺激します。

糖質はエネルギーの塊ですから、これを取り込む事で脳は非常に優秀な仕事を完了したと判断して、ご褒美にストレスを一層する快感を与えてくれるのです。

マラソンでは給水ポイントに必要以上にバナナやアンパンが用意されますが、それも糖質でストレスを掻き消すための工夫です。

つまり、我々はストレスを緩和するために、一見意味の無さそうな食事をする事になります。

別にお腹は減っていないのに…
特にエネルギーが切れてもいないのに…
さっき食べたばかりなのに…

それなのに、ストレスを軽減するため、摂食行動を取ってしまうのです。

これが必要以上に食べてしまう理由です。

そして、この摂食行動が過剰になった時、肥満というものが生まれます。

ストレスにより栄養面での合理性が崩れ、摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回った時、我々は太るのです。

それを防ぐために、現代人は消費カロリーをわざわざ高くしようとします。

ストレスで過剰摂取になった状態から回復するため、ジムに行ってカロリーを消費して帳尻を合わせます。

これが、冒頭の質問に対する僕からの回答です。

栄養的にはそんなに食べる必要は無いとわかっていても、ストレス緩和のために過剰摂取が止むを得なくなるため、運動によってカロリーを消費せねばならないのです。

ダイエットの本質

さて、回答自体はここまでですが、それで終わっては何の実用性も無い記事になってしまいますので、ここまでを踏まえて肥満の解決方法を提示したいと思います。

過剰なストレスが摂食行動を促すという事からわかる通り、肥満というのはストレスの産物です。

ストレスが無ければヒトは太る事は無いし、太っているという事はストレスが強いという事です。

勿論、太りやすい体質や環境という要因もありますが、根本的な肥満の原因はストレスです。

という事は、ダイエットしたければ、ストレスを何とかしないといけないという事です。

今抱えている現状のストレスを無視して、ダイエットは成功しません。

もし、今のストレスを抱えたままダイエットにチャレンジすれば、更なるストレスでリバウンドするだけです。

トレーナーにお尻を叩いてもらって一時的に痩せられても、数ヶ月すれば元通りの体型に戻っていきます。

そして、多くの人はこの罠にハマっていると思います。

問題は根本から解決しなければなりません。

この例えは何度も言っていますが、熱が出た時に解熱剤を飲んでも解決にはなりませんよね?

そうやって症状だけを隠して対応してきた西洋医学が、昨今問題視されて来ているのは、このブログの読者なら周知の通りと思います。

何度も言いますが、痩せたいのであれば食事を減らすだけではダメです。

最初に考えなければいけないのは、根本的に抱えているストレスを何とかする事です。

それには環境を変える必要があるかもしれません。

住んでいる場所を変える必要があるかもしれません。

仕事を変える必要があるかもしれません。

パートナーを変える必要があるかもしれません。

今の生活を変化させるというのは大変な事ですが、本当に問題解決したければそうする必要があります。

そしてもう1つ大切なのは、「動く」意識を持つ事です。

いくら環境を変えても多少のストレスは付き物です。

ストレス無しで人生を駆け抜ける事はできません。

というか、ストレスが無ければヒトは成長しないので、ある程度のストレスは必要なものです。

問題はそのストレスがかかった時に正しく対処できるかどうかです。

そして、先程言った通り、動物がストレスに対応する方法は運動です。

ともかく嫌なストレスを受けたら、動くようにするのが大切です。

その場でスクワットしたり、走ったり、腕立て伏せしたり、鉄棒を見つけたらぶら下がったり、何かしら動いて下さい。

勤務中でもオフィスから少し出て軽く運動するのが良いと思います。

少し息が切れる位まで動けば、ストレスはかなり緩和されるはずです。

そうすれば、無暗に報酬系を刺激するための過剰摂取が減ります。

必要以上に食べる事が無くなるのです。

これで肥満も自然と解消されるし、生活習慣病も防げます。

女性は特に動きたがらない人が多いので、この意識を積極的に持って欲しいと思います。

という事で、1つの問題解決を示せたところで、今回はこの辺で終わります。

肥満や過剰摂取に悩んでいる方は参考にして下さい。

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黒羽根雄大黒羽根雄大

物理学専攻・元プログラマー、体を壊して仙人を目指す事になりました。

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