Tokyo仙人ジム
裸足が健康に良いというのは、何となく聞いた事がある人は多いと思います。
逆に、靴が体を壊すという事実も、結構広まりつつあると感じています。
コンサルでもトレーニングの時に、
「靴下を脱いで裸足でやるべきですよね?」
と聞いてくる方がいますが、これも裸足に意義を感じるからだと思います。
確かに裸足になると自然に帰った感じがして新鮮な気持ちになりますし、
皮膚も強くなって何となく良いのだろうなという気にさせられます。
そんな事もあってか、裸足ランニングなんてのも流行りました。
そして、僕自身も裸足でいる事が多いです。
トレーニングの時は勿論、普段もなるべく裸足でいる時間を長くしています。
ただそれは、何となく良さそうだからと思ってやっているわけでは無く、
その利点を明確に理解してやっています。
裸足でいる事は健康的な面からもそうですし、
運動パフォーマンスの観点からも良いという確信があります。
今日はその話をしたいと思っています。
裸足のメリット、そして靴のデメリットです。
ぼんやり感覚でわかっている方もいると思いますが、
今回の記事で理屈的にも納得できるようになるはずなので、
興味あれば読んでみて下さい。
まずは裸足でいる事のメリットを3つご紹介します。
固有覚と言うのは、目を閉じていても筋肉や関節の動きを
感じとれる深部感覚の事を指しています。
これが発達すると何が良いかと言うと、
頭で考えた事を正確に体で再現する事が出来るようになります。
例えば、逆立ちやバク転は誰でも頭で完成イメージを作れますが、
多くの人は実際に行う事が出来ません。
理由は固有覚が未熟のために、イメージを再現できないためです。
固有覚が発達していれば、考えている通りに体現出来ます。
これは自転車でも、スキーでも、サーフィンでもそうですし、
もっと言えば、速く走る、高く飛ぶ、重い物を持ち上げるなど、
全ての運動に共通して言える事です。
簡単に言えば、固有覚が発達している人=運動神経が良い人です。
世界レベルのアスリートは運動神経の塊などと言われますが、
それは先天的に固有覚が鋭いと言えると思っています。
逆に言うと、僕のような一般人が運動能力を高めるには、
固有覚を鍛えていかねばなりません。
そうしないと、いくら筋肉を増やしていったとしても、
実際の運動パフォーマンスは上がっていかないのです。
そのためには出来るだけ固有覚を刺激して行きたいわけですが、
人体で最も固有覚の受容器が密集しているのは足の裏です。
二足歩行の人間が地面と接する唯一の場所は足裏ですから、
そこに多く存在するのは不思議な事ではありません。
足裏からはたくさんの情報がフィードバックされるようになっており、
それが中枢神経とやりとりする事で固有覚は磨かれていくのです。
しかし、靴を履く事が当たり前になった現代の人達は、
足裏が完全にカバーされているため、固有覚が一向に発達しません。
それが最も分かりやすく出る例は、目を閉じての片脚立ちです。
コンサルでもやってもらう事がありますが、多くの人が30秒も静止出来ません。
目を開けていれば簡単に出来るのに、目を閉じた瞬間グラついてしまいます。
これを不思議に感じる人もいますが、原因は明白で、
足の固有覚が死んでしまって、視覚に頼り過ぎているためです。
個人的には目を閉じて片脚立ち出来るのはヒトとして当たり前の事であり、
それが出来ない体はパフォーマンスが悪過ぎます。
こういう事を改善するための第一歩は裸足になる事です。
裸足になれば固有覚が磨かれ始め、イメージを体現出来る準備が整います。
人間は二足歩行を始めて踵を活用するようになりましたが、
その手助けをしているのが土踏まずです。
土踏まずは足裏のアーチを作り、直立状態で全体重を支える事に役立っています。
しかし、残念ながら現代人はこの構造が消えかかっています。
アーチが無くなって平になった足裏の事を「偏平足」と言いますが、
最近はこういう人を多く見かけるようになりました。
偏平足のまま歩くと一歩一歩の衝撃で体にダメージが蓄積され、
足底筋膜炎、シンスプリント、外反母趾、膝痛などに繋がります。
このような事が起こってしまう直接的な原因は、足指の筋肉の弱体化です。
土踏まずを引き上げるのは足指の筋肉、もっと言うと小指と薬指の筋肉ですが、
ここが正常に機能していれば、アーチは問題無く形成されます。
しかし、靴を履くと足指が伸展された状態で固定されてしまい、
その結果として足指の筋肉が衰えて、偏平足になっていくのです。
スクワットをする時に足指が地面から浮いている人は、
その傾向が高いので特に注意が必要ですが、
このような状態を元に戻すには裸足でいる事が大切です。
裸足だと足指が自由に動いて、歩く度に足指の筋肉が鍛えられて行きます。
それを見事に再現しているのは力士です。
一般人は脂肪が付き過ぎると土踏まずが無くなりますが、
力士はあれだけ脂肪が多いのに土踏まずが形成されたままです。
理由はもうお分かりの通り、相撲は裸足で行われるからです。
剣道や柔道などの武道も同様です。
武道は一般的にスポーツよりい健康に良いと言われる傾向にありますが、
その理由の1つは裸足で行う事にあると思っています。
ちなみに、保育園児を対象にした調査によると、
土踏まずの形成が最も弱いのは近郊地域で団地っ子で、
特に高層住宅に住む子どもに顕著だったようです。
これは恐らく、裸足で屋外に行く機会が少ないために
足指が鍛えられなかったものと思われます。
子どもの教育のためにも裸足の機会は増やしたいものです。
アースという言葉は電化製品でお馴染みだと思いますが、
機械から電気を大地に逃がす安全装置の事を指します。
これにより漏電の事故を防いだり、有害な電磁波を発生させなくしてくれます。
基本的に電気はアースすべきですが、これは人体にも共通しています。
我々の体は日頃の生活の中で体内静電気が溜まって行き、
それが害となって体調不良を引き起こす事があるからです。
原因不明の不定愁訴などもこういう事で起こっている場合が少なくありません。
溜まった電気は抜く必要があり、体もアースしなければいけません。
その最も簡単で効果が高いのが、裸足になる事です。
正確には裸足で大地に立つ事で、体内電気を抜く事が出来ます。
信じられない事に、たったこれだけで体が劇的に回復してしまう人もいます。
体内電気を抜くというのは一種のデトックスなので、それ位のパワーがあるのです。
そもそも昔の人間は地球と常に足裏で繋がっていて、
電気を絶え間なく循環させていたと言われています。
しかし、靴を履くようになってその流れがせき止められ、
人体内部で循環が完結してしまい、電気を溜め込むようになってしまいました。
これは学校のプールの水が冬場に濁るのと似ています。
水も流れが止まると腐っていってしまうように、
体内電流も止まると体を腐らせてしまうのです。
この流れを元に戻すためには裸足になる事です。
裸足になって大地に立つ事で、本来の流れが取り戻されます。
以上、裸足のメリットでしたが、靴のデメリットはその裏返しです。
固有覚の衰え、偏平足、体内電気の溜め込みなどが起こり、
健康も運動能力も弱っていく事は間違いありません。
更に言うと、靴は外反母趾、ハンマートゥ、水虫なども引き起こします。
こう考えるともう一生裸足でいたくなるかもしれませんが、
しかし今から靴の無い生活をしろと言われてもそれは現実的ではありません。
山奥で仙人にでもなりたいのなら話は別ですが、
日本で普通に暮らすためには靴との共存は避けられません。
そこで、僕が考える裸足の実践方法も書いておくので、
良かったら参考にして下さい。
まず、屋外に出る時に靴を履くのは仕方無しとします。
大人が裸足で歩いていたら変質者扱いされかねないので、
もうここは潔く諦めて靴を履きましょう。
ただ、靴は爪先が余り上を向いていないものを選びます。
運動靴を含めてとんどの靴は爪先部が反り上がっていますが、
これだと足指が伸びて全く屈曲出来ない状態になってしまいます。
ですから、なるべく爪先が曲がっていない平らな靴を選びます。
そして、家にいる時は裸足になります。靴下も履きません。
冬場はきつい人もいると思いますが、足指が機能してくると、
血液の循環が良くなって裸足でも平気でいられるようになります。
そして、重要なのはトレーニングの時です。この時が最も裸足でいたい時間です。
何故なら、裸足で運動すると足裏からのフィードバック情報が増えて固有覚が発達し、
足指がふんだんに使われる事で土踏まずが適切に発達して行くためです。
僕はもう何年も裸足でトレーニングしていますが、
そのせいかバランスボールに立つ事もそんなに苦労しませんでしたし、
足裏のデータを測ったみたところ土踏まずもしっかり形成されていました。
ですから、可能な限り運動中に裸足でいるようにして下さい。
ただ、残念ながらジムに通っている人は靴を履かねばなりません。
それもあって僕は小さくてもホームジムを作る事をおススメしてますが、
無理なら仕方無いので、家の中で少しでも裸足で動くようにして下さい。
ちなみに、Tokyo仙人ジムでは裸足OKですが、
各自で衛生的な価値観もあると思うので強制はしていません。
最後にアースですが、裸足で地面に立つのが嫌だという人もいると思います。
足が汚れて家に上がる時にも大変だったりします。
その場合、手を使っても大丈夫です。
足程ではないですが、手でもそれなりにアースされますので、
たまには大地に手を置いてみて下さい。
土に触ると、それだけで心地良さも感じられると思います。
と言う事で、今日は裸足についてでした。
裸足は現代社会と相容れない部分が多いですが、
少しでも工夫して取り入れてもらえたらと思います。
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